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2008年07月25日(金) 11時58分

【ストーカー判事初公判(2)】メールに「支部長」登場…第三者装い攪乱産経新聞

 《検察官が下山芳晴被告が被害女性に送信したメール内容を朗読する。下山被告は、検察官から渡されたメール内容が記された書類を左手にもったまま、被告人席で立ったままじっと見入っている》

 検察官「7。(中略)夜のグラサン姿目立つよ。この写真彼の奥さんに奥さんに送ってみよーか? 困っちゃうかなぁ…車も写っているし」
 検察官「8。(中略)件名、太股やわらかいね。メール内容、(中略)もうお風呂入った? 今日はお仕事たまっちゃって、昼間外に出られなかったよぉ…(泣)夜は待ち合わせ場所に間に合わなかったしさ 顔文字」

 《メールには顔文字も使用していたことを明らかにする検察官。下山被告は動揺した様子はない。かつては法廷を指揮したプライドがそうさせているのか…》

 検察官「…10。(中略)こんばんわ!もうお風呂入った? 今日はちょっと難しい統計学の話をしよーかな(笑)いくつかのサンプルがあって、そのうちかなりのものが真実の場合、ほかの部分も真実だというお話だよ〜(中略)AもBもホントのことなのに、Cだけうそだって信じるのは統計学的に無理だよ〜あっでもヤンキー君はVちゃん(被害者)を真面目って信じているっぽいよな〜最近周りには頭悪そーな連中多いよね(笑)」
 検察官「11。(中略)これから相手する男の子のためにVちゃん(被害者)の弱いところの解説書を作っちゃったりして…左の太股とか肩口とか…」

 《下山被告は、女性が交際していることを知っていて、その相手を強く意識していたようだ。さらに検察官の朗読が続く》

 検察官「12。(中略)そうそう、昨日話した解説書なんだけど、口説き方とかからかいたほうがいいかなぁ…」

 《深夜から未明にかけてわいせつな内容も含むメールを送信し続けた下山被告。検察官は最後に送信した16番目のメール内容を読み上げる。被害女性が県警本部にストーカーの相談に訪れた時の内容が含まれる》

 検察官「16。(中略)今日、県警本部に何しに行ったのかなぁ…ずいぶんと長い時間いたよね。怒らせちゃったかなぁ…支部長っていう人には怒られるし…それで、いろいろ考えたんだけど、送るつもりだった写真や動画のすべてを廃棄・消去することにしたヨ。メルアドも消します。だから、このメールが最後になっちゃうよ。それじゃぁ、おやすみ〜」

 《最後のメールには、「支部長」と自分(当時は甲府地裁都留支部長)を第三者として登場させた。捜査が及ばないようにするための“撹乱”作戦なのだろうか。検察官の起訴状朗読は約20分かかって終了。渡辺康裁判長から被告人の権利について説明を受ける。つい数ヶ月前には自分が説明する立場だった下山被告。もちろん権利は十分に把握しており、裁判長の説明に小さく何度もうなずいた》

 《そして、渡辺裁判長が罪状についての認否をたずねた。背筋を伸ばし裁判長を直視する下山被告は、口を開いた》

 下山被告「すべて間違いありません」

 《逮捕当初は、恋愛感情はなかったとしてストーカー規制法の適用には当たらないとの趣旨の供述をしていたとされる下山被告は起訴事実を全面的に認めた。続いて検察側の冒頭陳述に移る》

 検察官「昭和56年10月に司法試験に合格。平成16年4月1日から20年3月31日まで甲府地裁都留支部長…(中略)一時期被害者の女性と親しくし、恋愛感情があったが、しだいに女性が避けるようになったため、ストーカーメールを送信し親身に相談することを装って、自己の恋愛感情を満足させようとした」

 《冒頭陳述は終了。続いて証拠調べに。検察官は証拠として、3月18日に被害女性が最初にストーカー相談に訪れた県警本部で相談した内容についての書面などを提出した。最初の相談ではストーカーメールの話ではなく、無言電話の相談が中心であったと検察官は明らかにした》
    =(3)に続く

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