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2008年07月25日(金) 11時29分

ストーカー事件、下山判事が罪状認める…検察側メール朗読読売新聞

 部下の裁判所職員の女性に執拗(しつよう)にメールを送ったとして、ストーカー規制法違反の罪に問われた宇都宮地裁判事・下山芳晴被告(55)の初公判が25日、甲府地裁であった。

 罪状認否で下山被告は「すべて間違いありません」と起訴事実を認めた。

 検察側は「司法制度改革の中で社会に与えた影響は大きい」として懲役6月を求刑し、即日結審した。判決は8月8日。

 下山被告は、渡辺康裁判長から職業を問われ、「宇都宮地方裁判所判事です」と答えた。

 検察側は、下山被告が女性に送った「やっぱり不倫は見苦しい」など16通のメールを朗読。冒頭陳述で、女性が下山被告を避けるようになったため、メールを送ることで女性を怖がらせ、親身に相談に乗ることで気持ちを引きつけようとし、自己の恋愛感情を満たそうとしたと指摘した。

 また、ドライブするなど女性と親しくしていた下山被告が、女性から別の男性と付き合うことを告げられ、「その男はどうだろう」と不満そうだったとする被害者女性の調書を明らかにした。

 冒頭陳述によると、下山被告は甲府地家裁都留支部長だった2月19日〜3月19日、20歳代の女性職員に、東京都文京区の自宅や甲府市内のネットカフェなどから16回にわたり、恋愛感情を満たす目的で女性の携帯電話にメールを繰り返し送信したとされる。

 弁護側は、下山被告が「女性を取り戻すために、メールを発信した。メールをほかの男が見れば、関係を終わらせることができると思っていた。人間として恥ずべき行為だった」と女性にあてた謝罪文を読み上げた。

 下山被告については、国会の裁判官訴追委員会(委員長・臼井日出男衆院議員)が、法曹資格のはく奪に向けた手続きを進めている。下山被告を国会の裁判官弾劾裁判所に訴追するかどうかを9月ごろまでに決める見通し。弾劾裁判で裁判員を務める衆参両議員の3分の2以上の賛成があれば罷免の判決が言い渡される。罷免されれば戦後6人目となる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080725-00000014-yom-soci