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2008年07月25日(金) 11時05分

<ストーカー判事>下山被告、起訴事実認め結審 甲府地裁毎日新聞

 部下の女性に匿名の電子メールを執拗(しつよう)に送ったとして、ストーカー規制法違反罪に問われた東京都文京区千石3、宇都宮地裁判事、下山芳晴被告(55)の初公判が25日、甲府地裁(渡辺康裁判長)で開かれ、下山被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。検察側は懲役6月を求刑し、公判は即日結審した。判決は8月8日。【藤野基文、曹美河】

 現職裁判官が刑事裁判を受けるのは3人目で、01年に児童買春禁止法違反で有罪が確定した東京高裁判事以来となった。

 検察側は冒頭陳述で、下山被告が恋愛感情を抱いていた女性から避けられるようになったため、第三者を装ってメールを送り、相談に対して親身に応じることで気を引こうとしたと指摘。論告で「司法制度改革の中、現職裁判官による行為が社会に与えた衝撃は大きく、国民の信頼を損ねた」と批判した。

 弁護側は「被害者には、おわびの気持ちを伝えるしかない。自分が犯した愚かな行為に恥じ入るばかりです」との下山被告の書面を読み上げ、社会的制裁を受けているとして執行猶予を求めた。

 起訴状によると、下山被告は甲府地・家裁都留支部長だった今年2〜3月、山梨県内に住む部下の20代女性の携帯電話に「お昼は楽しかったよね。体の相性ばっちりって感じ!」など性的表現を伴うメール計16通を送った。匿名メールを送る一方、自分と分かるメールも送り、ストーカーと相談相手の二役を使い分けていた。

 下山被告は81年に司法試験合格。04年4月に甲府地・家裁都留支部長に就任、今年4月に宇都宮地・家裁足利支部長へ異動した。

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