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2008年07月25日(金) 08時01分

女性上司へブログで50連発「死ね死ね死ね…」小学校教諭を免職スポーツ報知

 横浜市教育委員会は24日、インターネットの自分のブログに「死ね死ね死ね…」「教頭抹殺したい」などと書き込んだ横浜市立小学校の男性教諭(29)を免職の分限処分にした。男性教諭は今年4月から条件付き採用中だった。市教委には「子供の前でしかられるなどして頭にきていた。ぶつけようのない怒りをブログに書いた」と話しているという。

 市教委によると、男性教諭は6〜7月までに、40代の女性主幹教諭を名指しして「死ね」を計50回以上繰り返したり「ホント、殺したい」「教師殺しがあったら、それはオレです、絶対」などと書き込んでいた。また50代の女性副校長に対しても「教頭抹殺したい」と書いていたという。

 3日に神奈川県から横浜市に「教諭が書いたとみられるブログの書き込みがある」との情報提供があった。市が調査を開始したところ、このブログに主幹教諭の名字と横浜市の区名が書きこまれているのを発見。事実確認を行ったところ、男性教諭が自分で書き込んだことを認めたという。

 背景には、上司の指導に対する不満があったとみられている。この男性教諭は4月に条件付き採用で着任。4年生を受け持ち、主幹教諭と理科系のクラブを一緒に担当していた。これまで大きなトラブルはなかったという。

 男性教諭は、殺人予告を書き込んだ理由について「実験を行った際、器具の使い方を間違い主幹教諭から子供の前でしかられた」「主幹教諭が勝手に実験を変更した」などと話している。

 副校長への「抹殺したい」との記載は「私が注意されたことを、ほかの教諭に話したから」と説明。この副校長は市教委の聞き取り調査に、男性教諭が鉛筆の先を自分に向けたまま、鉛筆削りの場所を尋ねてきたことがあったため、これを注意し、それをほかの教諭に話したという。

 市教委は主幹教諭や副校長の指導について、いずれのケースも「通常の指導の範囲内」と判定。男性教諭を適格性を欠くとして、懲戒処分ではなく分限処分とした。

 標的となった2人の女性教諭は「死ね」などとブログに書き込まれていたことを知ると、かなり動揺していたらしい。警察に被害届を提出しない理由については、副校長は「一緒にやってきた仲間だから」、また主幹教諭は「この件にこれ以上かかわりたくない」と話しているという。

 免職処分が決まる前、男性教諭は「職を続けて信頼回復に努めたい」「深く反省している」と話していたという。

 ◆分限処分 国家公務員法では中立性確保のため、公務員の身分保障をする一方で、〈1〉勤務実績が良くない〈2〉心身を患い職務に支障がある〈3〉必要な適格性を欠く〈4〉定員の改廃や過員が生じた場合、本人の意に反して分限免職や降格ができるとしている。犯罪行為などによる懲戒処分とは異なり、退職手当は支払われる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080725-00000076-sph-soci