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2008年07月25日(金) 10時12分

ライブドア 堀江元社長の控訴棄却し実刑判決 東京高裁毎日新聞

 ライブドア(LD)の粉飾決算事件で、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)に問われた元社長、堀江貴文被告(35)の控訴審判決で、東京高裁は25日、懲役2年6月の実刑とした1審を支持し、弁護側の控訴を棄却した。長岡哲次裁判長は「最高責任者の元社長の指示・了承がなければ犯行はあり得ず、実刑が重過ぎるとはいえない」と指摘した。無罪を主張していた元社長側は上告した。再保釈も申請しており、堀江元社長は拘束されない見通し。

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 判決によると、元社長は他の幹部らと共謀し、LDの04年9月期連結決算で、自社株売却益約37億6700万円を本来認められない売り上げに計上したほか、後に子会社となる2社への架空売り上げ15億8000万円を計上し、計53億円余を粉飾するなどした。

 長岡裁判長は「ライブドアは収益を実際の業績以上に誇示し、有望で躍進しつつあると社会向けに印象付け、自社の企業利益を追求しており、その戦略的意図には賛同できない。投資家保護に有用な有価証券報告書やディスクロージャー(情報開示)制度を根底から揺るがしかねない」と非難した。

 争点の一つだった自社株売却益の売り上げ計上の是非についても、「脱法目的で作られた投資事業組合(ファンド)で株を売却しており、売り上げ計上は許されない」とした1審を追認したうえで、「ライブドア株式の売却益を還流させる巧妙かつ複雑な仕組みを構築しており、悪質」と述べた。

 他の幹部4人のうち、3人は1審の執行猶予付き有罪判決が確定。元社長と同じく1審実刑の元財務担当取締役、宮内亮治被告(40)は9月に2審判決が言い渡される。【伊藤一郎】

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