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2008年07月25日(金) 12時17分

ライブドア 「背伸び型」粉飾決算を断罪 東京高裁判決毎日新聞

 ライブドア事件で1審に続いて堀江元社長に実刑を言い渡した25日の東京高裁判決は、従来の「破たん型」と異なる、成長企業の「背伸び型」の粉飾決算を厳しく断罪したものだ。社会のルールが事前規制型から事後チェック型に移行する時代において、企業に徹底した法令順守(コンプライアンス)を促した判断といえる。

 控訴審では、実刑が重すぎるか否かが争点の一つとなった。弁護側は無罪を訴えつつ「同種事件に比べ量刑が不当に重い」と主張。山一証券やカネボウなど「債務超過に陥り、損失額を隠ぺいした」過去の事件と異なり、ライブドア事件は「実際に利益が発生しており、資産額を偽ったわけではない」と指摘。粉飾額も他の事件より少ないのに、元社長だけが実刑とされ「法の下の平等に反する」と強調していた。

 この点について、1審は「成長性の高い企業の姿を示し、投資家の判断を大きく誤らせた。粉飾が高額でなくても犯行の結果は大きい」と言及し、2審も「投資者保護の面で深刻な悪影響を及ぼした結果は重大。粉飾金額の多寡のみが量刑の決め手になる訳でない」と1審を追認。外部から実態が見えにくい投資事業組合(ファンド)を利用した巧妙な錬金術を「破たん型」事件以上に悪質ととらえた。【伊藤一郎】

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