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2008年07月25日(金) 12時42分

【ライブドア事件】堀江被告、失敗した法廷戦略産経新聞

 堀江貴文被告を再び実刑とした控訴審判決は、1審判決に続き、「見せかけの成長」を演出し、市場に背いた経営姿勢を厳しく断じた。堀江被告は控訴審で上申書を提出し、初めて明確な反省の態度を示した。情状酌量による執行猶予を狙ってのものとみられたが、高裁は量刑判断にあたり上申書をまったく考慮しなかった。強硬だった1審から変化した被告側の法廷戦略は失敗した。

■写真で振り返る■ 堀江被告、太ったり痩せたり…いろいろあった8年間

 1審の最終意見陳述で堀江被告は「どんな手段を用いてでも主犯に祭り上げようという強い意志を感じた」などと捜査を批判、検察に狙い撃ちされた被害者の立場を強調した。しかし、控訴審では強硬姿勢が一転。「株式市場に対する不信を招き、悔やんでも悔やみきれない」などと反省をつづった上申書を提出。戦略は大きく変化した。

 刑事裁判では一般的に、罪を認めて反省を示すことや被害者に弁償を行うことが、被告にとって有利な情状として考慮される。堀江被告が上申書を提出したのも、裁判官に反省する姿をアピールし、執行猶予を狙ったためとみられた。

 ただ、堀江被告は、あくまで無罪主張を続けた。それに加えて、ライブドア株主から、株価下落による損害賠償を求められている民事訴訟でも、責任を認めず争う姿勢を崩していない。すでに一部の株主と和解し、資産を和解金の支払いに充てている宮内亮治被告とは対照的だ。高裁は「犯行についての反省はうかがえない」と一蹴した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080725-00000944-san-soci