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2008年07月25日(金) 15時06分

大分県18市町村教育長アンケ 4市1町「口利き要請」 1市、過去に不正採用も西日本新聞

 大分県の教員採用汚職事件を受け、西日本新聞社は同県内の全18市町村の教育長や教育長職務代行者に口利き要請の有無などをアンケートし、17市町村から回答を得た。それによると、4市1町の教育長が実際に要請を受けたと回答、うち1市は自ら不正な採用にかかわったことがあると明らかにした。


 県中部の市教育長は、議員や元教職員などから2、3件の口利き要請を受け、県教委の教育審議監や義務教育課長に電話で「合否の結果を知らせてほしい」と伝えた。校長や教頭への管理職任用試験でも議員から、ここ2年間で2回の依頼を受けた。その上で「金銭の授受などは一切ない」とした。この市教育長は県教委OBで2000年前後の県教委勤務時代、成績が水準以下の受験者を判定会議で合格させたことがあったという。

 別の県中部の市教育長も採用試験で「合否の結果を知らせてほしい」と要請を受け、県教委幹部に依頼し、正式な発表前に合否の事前連絡を受けたとしている。

 残る3市町の教育長は採用試験や管理職任用試験で口利き要請を受けたが、働き掛けはしなかったと回答。他の12市町村は要請も働き掛けもなかったとし、うわさも1市1町が「聞いた」と答えるにとどまった。

 一連の事件では、07年度の教員採用試験をめぐる収賄容疑で同県由布市教育長二宮政人容疑者(61)が逮捕され、県北部の元市教育長(71)が元県教委参事江藤勝由容疑者(52)=収賄容疑で再逮捕=に採用を依頼していたことが判明。不正の横行が明るみに出た。

=2008/07/25付 西日本新聞夕刊=

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