記事登録
2008年07月25日(金) 15時06分

市や元園代表を提訴 小倉園児熱射病死 両親5800万円請求西日本新聞

 北九州市小倉北区の認可外保育園「中井保育園」(閉園)で昨年7月、園児の浜崎暖人(はると)ちゃん=当時(2つ)=が遠足帰りの送迎車内に約4時間置き去りにされ熱射病で死亡した事故で、父健太郎さん(31)と母美香さん(25)=同区=が25日、北九州市と園の運営会社、園の北村寿和元代表(31)や当時の保育従事者ら計7人を相手取り、約5800万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こした。

 訴状によると、北村元代表と元園幹部男性(27)は「安全管理マニュアルを作らず、保育従事者の指導、訓練を一切しなかった。猛暑の不適切な日に遠足をした」と指摘。保育従事者5人は「園児の人数確認を怠り、暖人ちゃんの不在に気付かなかった」としている。

 北九州市については、児童福祉法に基づいて園を指導監督する立場にありながら、年1回の立ち入り調査で保育内容を十分調べなかったと主張。「園外保育の安全管理対策を取らず、保育従事者も不足した問題のある保育園で、園児が死亡する危険があったのに重要な指導をしなかった」と責任を追及している。

 北九州市は「訴状を見ていないのでコメントは控える」としている。北村元代表は「保育中に園児が亡くなった事実を重く受け止め、できる限りの対応をしたい」とコメントを出した。

=2008/07/25付 西日本新聞夕刊=

【関連記事】 ワードBOX 園児熱射病死亡事故
【関連記事】 園児熱射病死 元保育士ら在宅起訴へ 業過致死罪 地検小倉方針 元園代表は不起訴
【関連記事】 認可外保育園 安全な施設に別呼称 県検討 基準到達が条件

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080725-00000022-nnp-l40