2008年07月24日(木) 12時04分
家電業界へゴマをする放送業界(オーマイニュース)
ちょうど3年後の2011年7月24日。日本では、その日までにテレビの地上波アナログ放送が終了し、完全にデジタル化される。地上波デジタル放送は従来のテレビだとそのままでは視聴できないため、テレビを視聴し続けるためには新たにデジタル放送対応テレビを購入するか、デジタルチューナーを取り付けることになる。
家電業界ではデジタル特需として大商戦になっているが、その売り上げ増加に貢献しようとしているのがなんと国営放送のNHKだ。
24日から、NHK総合・教育テレビのアナログ放送画面の右上に「アナログ」と常に表示されるようになるのである。しかも、この方針には民放も追随する。
「この『アナログ』表示を見れば、視聴者がいま見ている放送がアナログ放送か一目でわかる。また、デジタル放送対応テレビでもアナログ放送を見ている場合があるため、その区別もしやすくなる」
NHKはこういう。しかし、それ以上の意味があるだろうか。テレビをまだ買い換える予定がない人にとってはうっとうしい以外の何物でもない。私にとっては、一方通行の放送を乱用して視聴者にテレビを買い換えるよう強制しているようにしか考えられない。
人間はそのとき変だと思ったことでも慣れると気づきにくくなる。常時表示はいつも人の目につく一方で、そんな逆の側面も持つ。放送業界にとってアナログ放送が終了することを周知するのは重要なことであるが、もう少しまともな方法はなかったのか。視聴者の側に立って考えてほしかった。
(記者:小林 泰大)
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