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2008年07月24日(木) 15時54分

他の通り魔を参考 菅野容疑者「両親困らせたかった」産経新聞

 東京都八王子市の書店で女性2人が死傷した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された会社員の菅野(かんの)昭一容疑者(33)=同市川口町=が、警視庁捜査1課の調べに「最近あちこちで通り魔事件が起きており、刃物を使えば簡単に殺せると思った」と供述していることが24日、分かった。警視庁は詳しい動機を追及するとともに、同日、容疑を殺人と銃刀法違反に切り替えて送検した。

 これまでの調べに対し、菅野容疑者は仕事関係で悩んでおり、事件直近に両親に相談したが最後まで話を聞いてくれなかったことから犯行に及んだと説明。一方で「大変なことをしてしまった」とも話しているが、被害者に対する謝罪の言葉はないという。

 また菅野容疑者が犯行約1時間前に書店が入る駅ビルに入り、店内を歩き回っていたことも分かった。目撃者によると、菅野容疑者は書店でアルバイトをしていた中央大4年、斉木愛(まな)さん(22)らを雑誌コーナー付近で包丁で刺した後、エレベーターとは反対側に向かって歩いていたという。

 目撃した男性は「包丁を右手に持ち、弱々しい感じで歩いていた」と証言。周囲が騒いでいたため異変を感じた直後に菅野容疑者を見かけ、その後、雑誌コーナーの方を見て、斉木さんが倒れているのに気付いたという。捜査1課はビル内の防犯カメラを解析するなどして事件前後の行動の分析を進めている。

                   ◇

 東京都八王子市の無差別殺傷事件で、警視庁が24日に発表した菅野昭一容疑者の供述内容は次の通り。

 職場での人間関係で不満が募って、親に相談してアドバイスをもらおう、解決法を教えてもらおうと思ったが、相手にされなかった。大きな事件を起こして両親を困らせてやろうと思った。2、3日前からむしゃくしゃしていた。

 最近あちこちで通り魔事件が起きていて、刃物なら簡単に人が殺せると思った。事件はテレビニュースとかで知っていた。包丁は百円ショップで買った。書店は夜遅くまでやっていることを知っていた。営業時間を知っていた。誰でもよかった。(2人の被害者を襲ったのは)視界に入ったから。大変なことをしてしまった。

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