記事登録
2008年07月24日(木) 13時02分

東京・八王子の女性2人殺傷:「あんな良い子が」 宇都宮出身・斉木さん犠牲 /栃木毎日新聞

 ◇知人ら悲痛な表情
 凶刃に命を奪われたのは、宇都宮市出身の女子大生だった。東京都八王子市のショッピングセンターで22日夜、女性2人が襲われ死傷した通り魔事件。書店店員としてアルバイト中だった中央大学文学部4年の斉木愛(まな)さん(22)が、無差別殺人の犠牲者となった。「なぜあんなに良い子が……」。斉木さんを知る県内の学校関係者や近所の住民は、一様に驚きと悲痛の表情を浮かべた。【山下俊輔、吉村周平、松崎真理、松谷譲二】
 事件から一夜明けた23日昼。宇都宮市にある斉木さんの実家は、雨戸が閉められ、周囲はひっそりと静まり返っていた。
 「礼儀正しく、面倒見が良い子だった」と近所の人は口をそろえる。ある女性は「遠くで見かけても大声で『こんにちは』と声を掛けてくれた。今どき珍しい礼儀正しい子だった。理由もなく、あんなに良い子が殺されるなんて……」とショックを隠しきれない様子で語った。
 子供が斉木さんと同級生だったという主婦は「とても快活で、うちの子は男の子なのに一緒に遊んでいた。とても明るく賢かった。まさか(被害者が)愛ちゃんとは思わなかった」と話す。
 斉木さんが通っていた中学や高校も対応に追われた。宇都宮市立陽東中時代の担任は「今朝、テレビ報道で知った。聞き覚えがある名前だったが、場所(宇都宮と八王子)が違うのでまさかと思った」と答えた。「思いやりのある穏やかな子。とにかく素直だった。(容疑者には)憤りを感じる」と怒りをにじませた。
 04年3月まで通っていた県立宇都宮中央女子高の小野敏夫教頭によると、斉木さんが在学していた当時の担任は既に異動しており、斉木さんを知る人は少ないという。だが、当時の担任が残した記録によると、斉木さんは「明るく誠実な人柄。人に優しく接することができる。友人の信望が厚く、学習態度も模範的」と極めて好評価だという。小野教頭は「英語の成績は常に上位で、優秀な生徒だったそうです」と、突然の死を悼んだ。

7月24日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000086-mailo-l09