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2008年07月24日(木) 11時39分

<岩手北部地震>M6.8、震度6強も 7道県107人けが毎日新聞

 岩手県洋野(ひろの)町で震度6強を記録した岩手北部地震で、警察庁が24日午後0時半現在まとめたところ、けが人は岩手、青森など7道県で107人(重傷16人)に上った。家屋やライフラインに大きな被害はなかったが、道路や鉄道は一部で不通が続いている。

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 岩手県では、洋野町で男性(78)が倒れてきたテレビで頭を打つなど重傷、一関市では女性(79)が倒れてきた建具に頭をぶつけて重傷を負った。北上市では、男児(5)が落ちてきたポットの湯で背中にやけどを負った。青森県では、自宅で寝ていた三戸町の女性(69)が倒れたたんすで頭を打ち重傷。三沢市では女性(69)が自宅2階階段から落ち、右足を骨折した。

 各県の災害対策本部などによると、負傷者は▽青森52人(重傷者4人)▽岩手39人(同7人)▽宮城11人(同3人)▽秋田2人(同0人)▽山形1人(同1人)▽千葉1人(同0人)北海道1人(同1人)。住宅などの建物被害は一部損壊が青森など3県で計40戸。このほか、文科省によると、岩手など4県の小中高校を中心に104校・施設で天井の一部がはがれたり、窓ガラス破損などの被害が出た。

 JR東日本によると、岩泉線、山田線、大湊線が落石などのため運休し、復旧の見通しは立っていない。東北新幹線は仙台−八戸間、秋田新幹線は全線が運休し、復旧は午後4時ごろの見通し。

 国土交通省によると、国道102号は青森県十和田市で起きた落石のため全面通行止め。県道は岩手県内の3路線が落石で全面通行止めとなった。岩手・宮城内陸地震で橋が崩落した岩手県一関市厳美町祭畤(まつるべ)では、迂回(うかい)路としていた林道が、土砂崩れで通れなくなった。

 東北電力によると、青森、岩手、宮城、福島県で延べ8611戸が停電したが、朝までに復旧した。水道は午前10時現在、岩手県岩泉町、川井村、宮古市、久慈市で計443世帯が断水している。

 この地震について気象庁は当初、震源の深さを約120キロと発表したが、約108キロに訂正した。

 この地震の余震が24日午前11時28分ごろにあり、岩手県釜石市や洋野町、青森県五戸町などで震度3を観測した。震源地は岩手県沿岸北部で震源の深さは約120キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.0と推定される。

 気象庁の横田崇・地震津波監視課長は「震源が深い地震の場合、浅い地震に比べて余震が少ない例が多く、今回の地震も余震活動は低調だ。しかし、震度4程度の余震が起こる可能性があり、降雨による土砂災害などには注意してほしい」と呼びかけている。

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