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2008年07月24日(木) 11時18分

<岩手北部地震>公会堂の天井、広範囲に落下…青森・八戸毎日新聞

 24日未明に発生した岩手北部地震で、震度6弱を観測し多くのけが人が出た青森県八戸市では、建物の天井や壁が崩れ、揺れの強さを物語った。

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 市役所の隣に立つ築33年の八戸市公会堂では、ホールの天井が広範囲にわたって落下。スプリンクラーの管が損傷し、座席は水浸しになっていた。類家敦・館長補佐は「ここまで激しく壊れるとは」と話した。

 全日本吹奏楽コンクール青森県大会の前日練習のため公会堂へ来ていた八戸一中の駒木あずささん(15)は「家の食器がほとんど割れた。怖くてずっと眠れなかった」という。

 同市番町で日本料理屋「太一」を営む宮崎正志社長(59)は、帰宅直後に揺れに襲われた。あわてて店に戻ると、3階西側の宴会場の壁が隣接の建物にもたれかかるように崩れた。2、3階では、酒の瓶が割れ、4階の物置は荷物がなだれ落ち、上がれない状態。「壁があるはずの場所から星空が見え、風が吹き込んでいた」という。

 地震発生時、宮崎社長と一緒に家にいた妻で女将(おかみ)の恵子さん(58)は「最初は縦にじわじわ揺れて、数十秒後の終わり間際に激しくどーんときた」と振り返る。近くにあった電話機が大きく飛び、食器などが散乱したが、店が心配でただちに店に駆け付け、翌日の営業のため夜通しで片づけをしたという。

 同店は94年12月に発生した三陸はるか沖地震でも建物が被害に遭い、改修工事を行った。恵子さんは「地震の経験から耐震にも気を使っていたのに。これじゃ防ぎようがない」と嘆いた。

 商店が立ち並ぶ三日町付近で、店員らが割れたガラスの掃除をしているのをみていた女性(80)は「寝てたら布団が大きく曲がった。地震はこれまで何度も経験してるけど、こんなのは初めてだ」と話し、「おっかねえこと」と繰り返しつぶやいていた。【百武信幸】

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