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2008年07月24日(木) 11時11分

【東北地震】原発に異常なし産経新聞

 24日未明に岩手県洋野町で震度6強を記録した地震を受け、経済産業省原子力安全・保安院は同日午前、審議官ら職員3人を現地への政府調査団として派遣した。東京、東北両電力のほか、日本原燃など関東以北の各原子力施設では、外部への放射能の影響や損傷などの被害はなかった。
 保安院などによると、青森県内の原子力施設では、東北電力の東通原発(東通村)1号機が定期検査中で調整運転を行っていたが、点検の結果異常はみられず、運転を継続した。
 日本原燃のウラン濃縮工場や使用済み核燃料再処理工場などがある六ケ村の核燃料サイクル施設でも、外部への放射能の影響を監視するモニタリングポストの数値に変化はなく、異常も見つからなかった。
 東北電力の女川原発(宮城県女川町、石巻市)では、定期検査で停止していた1号機で使用済み燃料プールの水を浄化するため運転中だったポンプ2台のうち1台が停止したが、再起動して異常がないことを確認した。
 東京電力の福島第1、第2原発ではいずれも異常は見つからず、計10基が運転を継続している。新潟県の柏崎刈羽原発は昨年の新潟県中越沖地震により全7基が停止しており、影響はなかった。
 また、電力不足の際に備えて本州と北海道を結ぶ「北本連系直流送電線」の2本のうち1本が、青森県内にある変換所の変圧器で油漏れトラブルがあったため、送電を停止。送電線を設置した電源開発が原因などを調査しているが、復旧のめどは立っていないという。保安院は「送電線は緊急のためのもので、現時点で電力供給に問題はない」としている。

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