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2008年07月24日(木) 09時34分

【東北地震】緊急地震速報は20・8秒後 技術的限界?産経新聞

 今回の地震で、気象庁は24日0時26分35秒ごろに地震の初動を検知、4.1秒後の同39秒ごろ、マグニチュードを5.8と予測して緊急地震速報の1報を出した。警報として一般向けに速報が出されたのは、6報にあたる予測で、検知から20.8秒後の同56秒ごろ。震度6強と6弱を観測した岩手、青森両県内ではほとんど警報は間に合っておらず、技術的な限界を今回も示す結果となった。

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 警報の段階では、マグニチュードは6.9で、岩手県沿岸北部、同南部、同内陸南部で最大震度が5弱程度になると予測していた。
 震央となった岩手県沿岸北部は、四国並みの面積がある岩手県のほぼ中央に位置する。警報の段階では、岩手県のほぼ全域で本格的な揺れが始まっており、最も震度が大きかった岩手県沿岸北部の青森県境付近でも、揺れが始まった直後に警報が出されたとみられている。
 緊急地震速報は、初期微動(P波)と本格的な揺れ(S波)が到達する時間差を利用して流されるもので、震源に近い地域では速報が揺れに間に合わないことが想定されている。
 だが、今回の地震で警報まで20.8秒を要した。気象庁地震津波監視課の横田崇課長は「今回のように深い震源の地震についてはデータが少なく、予測の式の精度が浅い地震の場合より低い」と説明した。
 警報の最大震度予想が「5弱」で、実際の「6強」とずれたことについては、「震源が深い地震については、揺れを小さめに予測する傾向がある。(気象庁が震度の誤差の想定範囲としている)プラスマイナス1に概ね近い形になったと考えているが、今後、予測の方式について検討したい」とした。
 一方で、宮城県では震源から遠い最南部で最大20秒程度の猶予時間があったとみられるなど、揺れが小さい地域を中心に、速報が間に合った地域もあった。

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