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2008年07月24日(木) 06時11分

安眠襲う激震 「長い揺れ怖い」負傷者の情報相次ぐ河北新報

 東北を再び大きな揺れが襲った。24日未明、岩手県沿岸北部を震源に発生した地震。岩手県洋野町で最大震度6強を観測するなど東北北部を中心に、寝静まった夜の街に一瞬にして緊張が走った。各地で負傷者が続出、建物や道路などの被害も広がった。

 岩手県によると、田野畑村で女性1人が救急車で運ばれた。川井村の国道106号では落石が2カ所で発生し、宮古市内の国道45号、国道106号なども土砂崩れと落石で寸断された。二戸市では若い女性がガラスで足にけが。北上市でも男性がガラスで負傷した。

 震度6強を観測した洋野町の住民は「こんな揺れは生まれて初めて」と話した。町内のスナック経営女性は「揺れが長く、さらに強い揺れが来るのではと怖かった」と証言。町役場の男性職員は「来る途中に住宅の窓が割れたのか、ガラスが散乱していた」と被害状況を生々しく語った。

 八戸市のコンビニ店長は「いきなりドカーンと揺れがきて、30秒以上続いた。商品が落ちないよう棚を押さえた」と恐怖をあらわにした。

 三沢市消防本部によると、三沢市織笠の70代女性が階段から転落、右足に大けが。青森県三戸町では女性(69)が倒れたタンスで頭に負傷した。

 十和田署などによると、十和田市の奥入瀬渓流で土砂崩れが発生し、付近の道路が土砂でふさがれた。秋田県によると、仙北市田沢湖で女性(77)が右目に負傷、病院に運ばれた。

 宮城県は午前1時、特別警戒本部を設置した。同県美里町の男性(29)は自宅で転倒、頭を打って大崎市内の病院に救急搬送された。同町の住民1人も足にけが。仙台市宮城野区でも女性(53)が転倒し、軽傷を負った。

 岩手・宮城内陸地震で被災した栗原市では、一部で震度5強を記録。市職員は次々に市役所に集まり、被害の情報収集に当たった。

 気仙沼・本吉広域消防本部によると、宮城県本吉町では地震のため炭焼き小屋から出火、14平方メートルが焼けた。石巻署によると、石巻市内のビルの外壁が3メートルほど崩れたとの通報があった。

 JR東北線では仙台発白石行き列車が緊急停車。乗客72人がバスで代行輸送された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000003-khk-soci