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2008年07月24日(木) 02時32分

東北地方で火災、落石、倒木…1か月で2回目の震度6読売新聞

 東北地方をまた激しい揺れが襲った。岩手県の太平洋側北部で震度6強を記録した24日未明の地震。震度5弱以上の地震は今年に入って7回目で、東北地方ではわずか約1か月の間に2回目の震度6となった。頻発する地震に、寝静まった町は不安に包まれた。

 「いきなりドーンという突き上げがあって、大きな横揺れが来た」

 震度6強を観測した岩手県洋野町。就寝中だった主婦、菖蒲沢ユリ子さん(61)は「先月の揺れよりずっと大きかった。戸棚の中のコップや食器が割れていた」と声を震わせた。

 町役場2階で仕事をしていた企画課の佐々木貴光さんは「最初『ドーン』と大きな縦揺れがあり、それから横揺れが続いた。揺れは大きく、カウンターにあった花瓶が落ちて割れ、給湯室の食器類も割れてめちゃくちゃになった。窓ガラスにもひびが入ったようだ」と地震直後の様子を語った。

 震度6弱を記録した青森県八戸市では、同市中心部の飲食店街「みろく横丁」で、客や店員らが立っていられないほどの大きな揺れがあった。客らは店舗の柱やカウンターにしがみつくなどし、中には揺れている最中に店から飛び出す人もいたという。居酒屋店員の女性(23)は、「とにかくつかまることのできるものにしがみついた。本当に怖かった」と青ざめた表情で話した。

 岩手・宮城内陸地震で被害を受けた宮城県栗原市内でも、食器棚からコップが落ちるなど、強い揺れがあった。

 岩手県宮古市によると、同市花原市(けばらいち)付近の国道106号で落石があり、片側通行になっている。さらに市内数か所で落石の情報がある。岩泉町では、落石や倒木により県道宮古岩泉線が全面通行止めとなった。

 青森県八戸消防本部に入った情報によると、八戸市類家の8階建てマンションから出火、一室を焼いて鎮火したという。

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 東北地方では震度5弱以上の地震が頻発している。今月19日には福島県沖を震源とする地震があり、津波注意報が出たばかりだった。

 19日の福島県沖の地震では震源は10キロだったのに対し、今回の地震は震源が120キロと深く、関連性は薄いとみられるが、相次ぐ地震に地域の住民は不安を募らせている。

 6月の岩手・宮城内陸地震で被害にあい、宮城県栗原市花山地区の仮設住宅に住む無職大山幸義さん(56)は「激しい横揺れだった。外の電柱が大きく揺れていた。数日間雨も降っていたので、自宅の裏山が崩れるのではないかと心配だ」と話していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080724-00000004-yom-soci