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2008年07月24日(木) 02時12分

岩手県で震度6強の地震…東北地方で負傷者、停電も読売新聞

地震でガラスが割れたコンビニエンスストアの店頭(青森県八戸市で)=竹村一朗撮影

 24日午前0時26分ごろ、岩手県沿岸北部を震源とする地震があり、同県洋野町で震度6強を観測したほか、同県野田村と青森県八戸市、同県五戸町、階上町で震度6弱を観測した。

 気象庁の推計では震源の深さは約120キロで、マグニチュードは6・8。先月14日に発生した岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けた宮城県栗原市も震度5強だった。各地の消防によると、青森県三沢市で69歳の女性が自宅の階段から転落して負傷したほか、秋田県仙北市の女性(77)が窓ガラスに頭をぶつけて顔を切る軽傷を負うなど複数のけが人が出ている。この地震を受け、警察庁は午前0時34分、災害警備本部を設置した。

 震度5強の地域は青森県東北町や岩手県宮古市、同県久慈市、宮城県気仙沼市など東北の太平洋岸を中心に広い範囲に及んでいる。青森県八戸市では約1400戸が停電している。

 震度6強を観測した岩手県洋野町の地域振興課の長根長治さんは自宅で就寝中、ドスンという縦揺れを感じ、タンスが倒れないようすぐに支えたが、横揺れが1分以上続いたように感じた。食器が棚から落ちて割れるなどしたため同庁舎に駆け付けたという。

 震度5強を記録した岩手県宮古市危機管理課の鈴木清次郎さんは激しい横揺れに、家族4人とも壁にしがみついて揺れがおさまるのを待ったという。鈴木さんは「今までにない強い揺れでとても怖かった」と語った。同県知事は陸上自衛隊の災害派遣を要請した。

 震源地に近い日本原燃の再処理工場(青森県六ヶ所村)は24日午前1時の時点で、放射能の数値に異常はみられない。東北電力によると、営業運転中の女川原子力発電所2、3号機(宮城県女川町、石巻市)と、定期検査の最終段階で試験運転に入っていた東通原発1号機(青森県東通村)のいずれも地震による緊急停止などはなく、運転を継続している。

 震度5弱以上を記録した主な地域は次の通り。

 ▽震度5強 岩手県釜石市、二戸市、北上市、一関市、奥州市、宮城県大崎市▽震度5弱 岩手県陸前高田市、盛岡市、八幡平市、花巻市、青森県十和田市、三沢市、宮城県登米市、岩沼市、石巻市。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080724-OYT1T00070.htm