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2008年07月23日(水) 23時02分

八王子殺傷 斉木さん無言の帰宅毎日新聞

 東京都八王子市で起きた無差別殺傷事件で犠牲となった斉木愛さんの遺体は23日午後、宇都宮市内実家に帰った。近所の人によると、斉木さんは母と兄、姉の4人家族。知り合いの女性は「あいさつのできる礼儀正しい子だった。何であんなかわいい子が殺されなければならないの」と話した。別の女性(47)も「小学校のころ、下級生の面倒を見てくれる子だった。容疑者が許せない」と怒りをあらわにした。

 「痛かったろうな。びっくりしたろうな……」「自分にも娘がいる。親御さんは言い表せない気持ちだろう」。宇都宮市立陽東中で斉木さんの2、3年時の担任だった男性教諭(49)は、教え子の死をまだ信じられない様子。「容疑者には憎しみを感じる。『誰でもよかった』というのは、あまりにも身勝手」と憤った。

 学校関係者によると、斉木さんは小学生時代、合奏部に所属。小学校卒業文集には、成績上位校しか出場できない中央大会の合奏祭(中央祭)への進出を逃した時の思い出をつづっていた。「やっぱり中央祭に行きたい。けれども、そのことよりも、自分がまず、やれるだけやって、自分で満足がいくように努力することだと思う」。この文集に将来の夢を「ガーデニングデザイナーになって、庭をきれいに色どりたい」(原文のまま)と書いていた。

 斉木さんは進学校として知られる栃木県立宇都宮中央女子高に進学。同校の小野敏夫教頭は「責任感が強く、信頼できる人柄。学業も優秀だった」と、突然の死を悼んだ。【吉村周平、松崎真理、山下俊輔】

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