記事登録
2008年07月23日(水) 12時42分

八王子殺傷、容疑者「犯行直前に包丁購入」…動機追及へ読売新聞

 東京都八王子市の京王八王子駅ビル9階の「啓文堂書店京王八王子店」で22日夜、店内に入ってきた男に女性2人が包丁で襲われ、1人が死亡、1人が負傷した事件で、警視庁に殺人未遂容疑で逮捕された会社員菅野(かんの)昭一容疑者(33)が今年5月、同市内の金属部品製造会社で正社員への採用を前提に働き始めた直後、機械で指を骨折し、長期間の休職を余儀なくされていたことがわかった。

 菅野容疑者は「仕事がうまくいかず、ムシャクシャしてやった」などと供述していることから、同庁は容疑を殺人に切り替え、動機との関連を調べている。

 勤務先の金属部品製造会社によると、菅野容疑者は5月8日から約1か月後に正社員となる約束で「社員試用」として働き出したが、同15日に工作機械に右手の指3本を挟まれて骨折。同月末まで入院した後は自宅で療養し、9月に職場復帰の予定だった。採用時の面接では「これまで派遣社員として部品の組み立て作業などをやってきた。モノ作りが好き」などと話し、同社専務(30)は「仕事を巡るトラブルはなく、不満も聞いていない」としている。

 同庁幹部によると、菅野容疑者は22日午後9時30分ごろ、書店の本棚を整理していたアルバイト店員で、中央大学文学部4年の斉木愛(まな)さん(22)に無言で近づいて包丁で左胸を一突きして殺害し、近くにいた女子大生(21)の右胸も包丁で切りつけたという。

 店の前にあるエレベーター内には凶器の包丁(刃渡り約15センチ)が落ちており、売り場には、菅野容疑者の名前が記された病院の診察券などが入った黒いリュックサックが残っていた。犯行後、菅野容疑者はエレベーターを利用して屋外に出て、JR八王子駅方面に歩いて向かったとみられる。菅野容疑者は「直前に現場近くの店で包丁を買った」とも供述。同署で当日の足取りなどを捜査している。

 同庁関係者によると、菅野容疑者は一夜明けた23日朝、拘置先の八王子署内で発作を起こし、救急車で病院に搬送されたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080723-00000020-yom-soci