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2008年07月23日(水) 09時54分

「殺すために包丁を買った」八王子通り魔事件の男、計画的犯行産経新聞

 東京都八王子市の書店で女性従業員と客の2人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された八王子市川口町、無職、菅野昭一容疑者(33)が、警視庁捜査1課の調べに「殺すために包丁を用意した」などと供述していることが23日、分かった。捜査1課は計画的な犯行の可能性が高いとみて、菅野容疑者を追及している。

【写真で見る】 また惨劇が…騒然とする京王八王子駅ビル

 調べでは、菅野容疑者は閉店間際の22日午後9時40分ごろ、店内で書籍の整理をしていたアルバイト店員で中央大文学部4年、斉木愛(まな)さん(22)を前から突然襲い、刺殺。さらに近くで本を選んでいた女性(21)を刺して逃走したとみられる。
 その後の調べで、菅野容疑者が凶器に使った刃渡り約15センチの文化包丁を逃走中にエレベーターの中に捨てていたことも判明。捜査1課で菅野容疑者を追及したところ、包丁は殺害目的で、現場の京王八王子駅近くの大型スーパーで事前に購入していたことを認めたという。
 菅野容疑者は5月に働き始めたばかりで試用期間だった。正社員になる過程で悩んでいたとみられ、調べに対し「仕事関係でむしゃくしゃしていた。両親にも相談したが、乗ってくれなかった」などと動機を供述している。捜査1課は、こうした仕事関係の悩みが事件の背景にあるとみている。
 一方、殺害された斎木さんの勤める書店関係者によると、斎木さんは2年くらい前からアルバイトとして働き始め、店舗ではキャリアの長い「頼れる存在」だったという。
 斎木さんと菅野容疑者の接点はなく、店舗関係者は「なぜ?」とショックを隠しきれない様子だった。

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