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2008年07月23日(水) 08時00分

八王子通り魔 閉店前、泣き叫ぶ客 「秋葉原あったばかり…」産経新聞

 上半身を血で真っ赤に染めて担架で運ばれる女性を、買い物客らがおびえた顔で見守った。22日夜、東京都八王子市の京王八王子駅ビルで起きた通り魔とみられる殺傷事件。9階の書店で閉店前に本棚を整理していたアルバイト店員の中央大学3年、斎木愛(まな)さんは、いきなり包丁で胸を一突きに刺され、亡くなったという。店内には大量の血が流れ、買い物客らは呆然(ぼうぜん)とした様子だった。

 8階にあるマッサージ店の男性店長は、店の営業を終えて片付けをしていたとき、「上の階から悲鳴が聞こえた」と聞いて、9階に駆けつけた。書店のフロアに女性がうつぶせに倒れていて、周囲で客や従業員20人ぐらいが泣き叫んでいた。

 店長は「ショックです。秋葉原の事件があったばかりだが、まさか…」と絶句した。

 帰宅する人らでごった返す駅ビル前にはパトカーや救急車が何台も駆けつけ、騒然とした雰囲気に。その中を、被害者が担架で運び出され、救急車で病院に搬送された。また、別の女性が泣きながら警察官に連れ添われ、パトカーに乗り込んだ。この女性もひざが血で真っ赤に染まっていたという。

 近くで見たタクシー運転手(54)らによると「担架の女性は肩から血が流れ、上半身が真っ赤に染まっていた。救急隊員が必死に人工呼吸を施していた」「片手が担架から垂れていて声もなく、ぐったりした様子だった」という。

 駅ビル11階の飲食店店長の男性(25)は午後10時前、ビル関係者から「刃物を持った不審者がいて、書店の従業員が刺された。店の入り口を閉めて客を店の中に待機させて」と連絡を受けた。

 当時、店には2組計7人の客がいた。女性客2人が店から出ようとしたが、事情を説明して店の中にとどまってもらった。午後10時すぎ、警察官から「もう大丈夫」と連絡が入ったという。

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