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2008年07月23日(水) 13時13分

同じ「日本代表」、北京パラリンピックにも注目オーマイニュース

 次回2010年の冬季五輪開催地であるカナダのバンクーバー。1996年にツアーで訪れた際、B.Cプレイスに併設されたスポーツ・ミュージアムにおいて、パラリンピック代表選手たちが、年間優秀アスリートとして、健常者のアスリートと同等に展示されているのが強く印象に残った。僕がまだ、「バリアフリー」という言葉も知らなかったころだ。

 市内を走るバスの多くが車いすでも容易に乗り降りできる、低床式のタイプだったことと、この事はつながっているのではないかとおぼろげに感じた。

  1998年の冬季パラリンピックが長野で開催され、これまで以上に競技の様子が多くのメディアに取り上げられたことが、パラリンピックのイメージを大きく変えた。自身の身体能力の限界に挑戦し、高度な技術を見せ、「日本代表」に選出されたことへの喜びと誇りを持つという点において、オリンピックの代表と同じだということを認識する人が増えたと思う。

 僕が少しばかりかかわっている陸上競技について言えば、世界陸上において、車いすのトラック競技が2001年のエドモントン大会以降、正式競技として実施され、伴走者に手を引かれて走る盲人ランナーの記録も、陸連公認記録と認められ、車いすレーサーの海外マラソンでの活躍も新聞の運動面で報じられるようになった。義足選手の五輪出場の是非が議論に的になったことも記憶に新しい。

 僕の住む松山市においても、ボートの武田大作、マラソンの土佐礼子の北京五輪出場を祝い、激励する懸垂幕の横に、パラリンピックの柔道代表になった、廣瀬悠を激励する懸垂幕が並んで市庁舎に飾られている。少しはバンクーバーに追いついたかもしれない。市庁舎の前を低床式の路面電車が通り過ぎていく。

 9月の北京パラリンピック、「弱者に対して優しくない国」と伝えられる彼の国において、障害を持つアスリートたちがどのような活躍を見せるか、メダルの獲得数ばかりでなく、いろんな面で注目したいと思う。

(記者:河野 寛司)

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