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2008年07月23日(水) 13時12分

学校に家宅捜索、これからどうする?オーマイニュース

 7月22日。大分県で起きた教員採用汚職事件は、ついに事件での逮捕者に関係する3つの小学校が家宅捜索を受け、県知事が謝罪するという、最悪の事態を迎えました。

 大分県警はこの日までに、佐伯市内の大分県教育委員会の事務所や市の教育委員会、容疑者の自宅などを捜索していますが、子供たちが通う学校に捜査員が踏み込んだことで、精神的打撃を受けたであろう子供や親など、学校にかかわる人々はどうすればいいのでしょうか?

 この日の夕方になり、広瀬勝貞知事が会見を開きました。広瀬知事は、「特定の人物からの口利き」こそ否定したものの、県民の信頼を損ねている点を謝罪し、事件の広がりを「痛恨の極み」とコメントしています。

 これまでに、オーマイニュースでも市民記者の方々がこの事件について記事やコメントを書かれていますが、「金や人間関係のある人だけが教員になれる」、あるいは「学校の管理職になれる」という現実が長いこと明るみに出なかったことは深刻な問題です。

 しかし、真実を知った親や子が、「こんな学校や教育委員会を変えたい」と、声を上げたでしょうか? デモ行進などして、市民に自分たちの声をアピールしたというような話はまったく聞いていません。

 県教委と教職員組合の癒着発覚でため息をつく保護者の声まで報じられている今、このままでは子供の人生に深刻な影響をもたらすのではないかと心配しています。

 子供には、「子供の権利条約」があります。その中では意見表明や平和的集会の自由などの権利が定められています。そして、大人は子供たちにとっての最善を考え、それを実現するための行動が求められているはずです。

 もし、今回の問題で、大分県内の子供たちが、こうした現実に「ノー」の声を伝える行動したいと望めば、日本中の親や大人は止めてはいけないと思います。子供にも憲法上の自由があり、悪い世の中に物申していいと思うからです。

 保護者の皆さんもまたしかり。憲法上の集会の自由、言論の自由を、大分県教委を少しでも良い方に変えるために使いたいと思われないのでしょうか?

 子供たちに言いたい。

 今回の事件をきっかけに、「学校にも物を言う気持ちを少しずつでもいいから育ててほしい」、「自分たちにとって納得できない社会やルールは、自分たちの行動で変えたいと思ってみようよ」と。

(記者:河村 崇)

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