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2008年07月23日(水) 16時13分

「驚いた顔忘れられず」 痴漢でっちあげ女初公判 大阪地裁産経新聞

 大阪市営地下鉄の電車内で今年2月、会社員の男性が痴漢にでっちあげられた事件で、虚偽告訴などの罪に問われた無職、阪田真紀子被告(31)の初公判が23日、大阪地裁(樋口裕晃裁判官)で開かれ、阪田被告は、元甲南大生の蒔田文幸被告(24)=同罪などで公判中=と共謀した起訴事実を認めた。

 検察側の冒頭陳述によると、事件直前の今年1月下旬、阪田被告は大阪・ミナミで蒔田被告に声をかけられ、2人はすぐに同居を始めた。蒔田被告はパチンコ代などの遊興費が足りずに困っていたが、当初は「ゆくゆくは総理大臣になって日本を変えたい。選挙に出るために金がほしい」と語っていた。しかし数日後には「女は金になる。なんぼでも稼げる方法知ってる。痴漢が一番熱い」などと、痴漢をでっちあげて示談金を取ることをほのめかすようになったという。

 検察側はさらに、阪田被告が電車内で被害者に「触りましたよね」と声をかけた状況などを詳述。示談金を取れるめどが立たなかったため、事件翌日、蒔田被告の気を引くため、阪田被告からメールで万引やスリを提案し、窃盗事件を起こしたことなども明らかにした。一方、阪田被告の自首で事件が発覚したと指摘し、「(電車内の)被害者の驚いた顔が忘れられず、罪のない人を罪に陥れたことにさいなまれ、被害者の無実を晴らすために自首した」と述べた。

 この日は被告人質問も行われ、阪田被告は「被害者の方にご迷惑をおかけし、最低のことをしたと思っています」と涙を流して謝罪。動機について「精神状態がひどい時に彼(蒔田被告)と出会い、優しい言葉をかけてくれた。生きる支えになっていて、私のところからいなくなるのが怖くなり、彼の言うことを聞こうという気持ちになりました」と話した。

 起訴状によると、阪田被告は蒔田被告と共謀し、2月1日午後8時50分ごろ、地下鉄御堂筋線天王寺駅の直前の電車内で、会社員の男性から痴漢にあったように装い、同駅駅長室で男性を痴漢の犯人として警察官に虚偽申告するなどした。

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