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2008年07月23日(水) 15時13分

【法廷ライブ】痴漢でっち上げ共犯女初公判(2)完「彼の心を引き止めたくて…」産経新聞

 大阪市営地下鉄内での痴漢にでっち上げ事件で、元甲南大生の蒔田文幸被告(24)=公判中=の共犯として虚偽告訴などの罪に問われた阪田真紀子被告(31)。23日の初公判では、蒔田被告の気を引くため、盗みをしていたことも明らかになった。
 弁護人「痴漢でっちあげの翌日にもゲームセンターで窃盗してますよね」
 阪田被告「でっちあげは私が痴漢の被害者役として演じきれたのか心配になって。でっちあげ自体は初めてで、蒔田被告の方が調べが長かったので失敗だと。蒔田被告の思うようにお金が入ってこないんじゃないかと思って。その失敗を取り戻そうと思って…。失敗したことで他の女の方に行ってしまうと。私に蒔田被告の心を引き止めておきたかったから」

 弁護人「でっちあげの失敗を取り戻そうと、スリも手伝うことになったんだね」
 阪田被告「はい」
 弁護人「その後1週間の間にいろいろあったけど、自首したのはどんな気持ちからだったの」
 阪田被告「実家に帰って蒔田被告から離れて、自分のしたことがとてつもなく恐ろしくなって。でっちあげの被害者の方が取り調べを受けている姿を思いだして…。本当のことを早く言わないといけないと思って」
 弁護人「それで自首したんですね」

 阪田被告「はい」
 弁護人「取り調べでもうそをついてないね」
 阪田被告「はい」
 弁護人「自首したのは痴漢でっちあげだけじゃなくて全部だよね」
 阪田被告「はい。もう1人謝らないといけない人がいると思って。(強盗未遂事件の被害者は)ボコボコにされたので。その被害者の名前が分からなかったので、分かることは警察にすべて言って」
 弁護人「被害者に対して弁償して、示談ができて謝りもしましたね」
 阪田被告「はい」

 弁護人「強盗未遂事件の被害者と会ったときのこと覚えていますね。最初私とお母さんと一緒に会って、その後被害者と2人きりで話をしたのはなぜ」
 阪田被告「被害者から2人で話をしたいと言われたので。用意した示談金をそっくりそのまま返すと言われてびっくりして。被害者の方が『私が受け取るべきお金じゃない。あなたが迷惑をかけたお母さんに親孝行するのに使ってください』と言われました」

 弁護人「他には」
 阪田被告「お母さんのことを考えてあげてくださいと」
 弁護人「あなたにどうなってほしいと」
 阪田被告「もうこんなことしてほしくないし、前向きに立ち直ってほしいと」
 《阪田被告は持っていたハンカチで涙を拭いながら答える。さらに弁護人は質問を続けた》

 弁護人「虚偽告訴の被害者だけど、被害者の気持ちを聞いてどう感じた」
 阪田被告「会っていただけると思っていなかったですけど、ひどい屈辱を受けた被害者と心配している娘さんが私に会ってくださるだけでありがたく思いました」
 弁護人「あなたは在宅起訴だったから手錠もかけられなかったけど、でっちあげの被害者は(逮捕されたとき)どんなことされたか分かってる」
 阪田被告「はい」

 弁護人「そんな被害者は何て言ってくれた」
 被告「屈辱は一生忘れないだろうと言っていましたが、蒔田被告の謝罪文を読んだことも話をされて」
 弁護人「あなたに対してどんなことを」
 阪田被告「あなたも被害者じゃないのかという言葉をかけてもらって。今後こんなことしないよう更生してほしいと」

 《うつむいたまま申し訳なさそうに小さな声で答え続ける阪田被告に裁判官が「もっと大きな声で答えてください」と注意した》
 弁護人「十分反省できましたか」
 阪田被告「はい」
 弁護人「会ってくれた被害者2人とも立ち直ってほしいと。これからどうしていきたいのか」

 阪田被告「自首してから事件と向き合ってきて、自分のしたことばかり考えて他のことを考えることがなくて思いつかないですが、被害者の方が言ってくれたことを受け止めしっかり生きていきたい」
 弁護人「だれに迷惑かけたか分かっていると思うし、お母さんのためにも2度としないと誓いますか」

 阪田被告「はい」
 弁護人「蒔田被告みたいに心酔してしまう人ができたりしない」
 阪田被告「もうないです」
 弁護人「蒔田被告に未練はないのね」
 被告「ないです」
 弁護人「最後に何かある」

 阪田被告「本当にとんでもないことをしてしまったことを反省しています。後悔もしてますし、被害者の方に迷惑をかけたことを心底謝りたいです」
 弁護人「終わります」

 《検察側の質問は次回期日に行われることが決まり、閉廷。公判を傍聴した痴漢でっちあげの被害者の男性は報道陣から感想を聞かれ、「事件の前後にいろいろ他の事件をしていたことを知り、むなしい気持ちになった。でも彼女の自首がなかったらと思うと…。彼女は誠意ある謝罪がありましたから、前向きになってほしい」と話した》

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