記事登録
2008年07月23日(水) 18時26分

いくら受けても不採用…「仕事、見つからず」オーマイニュース

 33歳の派遣社員の男性(2007年当時)は、2000年、派遣社員として証券会社のコールセンターの仕事を始めました。この仕事は1年契約だったので2001年に終了。その後、事務のアルバイトを始めました。

 このアルバイトは比較的長く続けましたが、だんだんと景気が悪くなり、シフトをカット(勤務時間を減らされる)されたことや、年齢的に「正社員」にならなければという考えから、アルバイトをやめて就職活動を始めました。

 しかし、ネット応募の段階で数十件、面接は10社以上受けましたがすべて不採用。

 結局、派遣の短期の仕事で生活しながら正社員を目指すことになりました。まず、携帯電話のテストという短期の仕事を経て大手IT企業の仕事を始めました。そこでは昼間の勤務を希望したにもかかわらず深夜勤務の担当になってしまいます。

 このこともあり、3カ月で契約を終了しました。それから就職はもちろん、派遣の仕事もなかなか見つかりませんでしたが、約1カ月後、とあるベンチャー企業での仕事が決まりました。しかし、これも配置換えをされてしまい、契約終了。

 再び仕事を探す毎日が始めりました。やはり、すぐに仕事は見つからず、わずかな貯金もなくなり、生活費を借金することになりました。

 なんとか2カ月後にIT関連会社での電話受付の仕事が決まりました。ここでは半年間、仕事をしましたが、やはり就職を希望し、契約を終了。就職活動をします。以前と同様、勤務時、契約終了の2カ月前からネット応募で30〜40件、面接で20件近く就職を希望しましたがすべて不採用。派遣でも捜しましたがなかなか見つからない。

 結局、無職となってから2カ月後、再度派遣の仕事をすることになりました。しかし、これも「仕事が合わず」に3カ月で契約終了。その2カ月後、ついに念願の正社員としての採用が決まりました。

 とある小さな会社で事務系の業務担当として勤務したのですが、会社の経営が傾き、社内では「倒産」などのうわさが流れていました。そして、上司の暖かいアドバイスもあり、退社し、ほかの会社を捜すことにしました。

 この時は幸いにもすぐに小さな会社で正社員としての勤務が決まりました。ところが、この会社も経営が傾き、業務の変更やさまざまなトラブルもあり2カ月で退社することになりました。

 この時33歳。それからの就職活動はそれまで以上に厳しく、正社員どころか派遣社員、アルバイトを含めて、受けても受けても不採用の連続でした。ネットでは100社くらいは応募したでしょうか。面接も30社くらいは受けたと思います。無職になってから3カ月ほど経過したある日、奇跡的にアルバイトが決まりました。

 実は、これは、ここ数年の記者の「派遣・仕事の経験」です。このような方は世の中に多くいると思います。

 最近、「仕事がうまくいかない」、「仕事が見つからず……」ということを理由にした犯罪が多く起きています。しかし、ほとんどのケースで、「仕事・社会のせい」にするのは間違っているのではないかと思います。

 一方、「すべて自業自得」とするのも誤りだと思います。「どちらもある」というのが現実だと思います。

(記者:白石 竜次)

【関連記事】
白石 竜次さんの他の記事を読む
【関連キーワード】
仕事
正社員
採用

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080723-00000007-omn-soci