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2008年07月22日(火) 14時14分

ガソリン高騰だけではない、道路が空いた理由オーマイニュース

 7月の3連休、初日は海、残り2日は市営の野外プールで過ごしました。

 伊豆方面へ向かう道ですが、通る度に空いてきているように感じます。目的地までの時間も短縮されています。

 またプールですが、こうも暑いと利用者は増え、例年ですと駐車場待ちをするところですが並ぶことはありませんでした。

 ガソリン価格の高騰による乗り控え、車の買い控えなどの影響が、目に見えて来たように感じます。

 道路だけではありません。初日の海ですが、小田原の西に米神と言う海岸があります。この付近から岩場になるので磯の遊びにはもってこいのスポットです。

 今回は天気に恵まれたにもかかわらず、50台分くらいの駐車場が、20台前後しか埋まっていませんでした。

 海の日に接した3連休では例年だと満車になっていたものです。釣り人の数もまばらで、バーベキューコンロを囲んで騒音を撒き散らす連中もいませんでした。

 ひょっとしたら、ガソリン価格高騰のせいだけではないな。こんな考えが浮かんできました。

 一般に、「ゴルフはホワイトカラーの遊び」「釣りはブルーカラーの遊び」だといわれています。単純に言い切れるものではありませんが、大まかな線引きをすれば、間違ってはいないでしょう。釣り人が減っていると言う事は、ブルーカラーに元気がないと言う理屈になりそうです。

  ◇

 先週末の18日、不動産・建築業界に激震が走りました。東証1部上場のゼファーが民事再生法を申請し、受理されました。事実上の倒産です。

 加えて、キョーエイ産業(JASDAQ上場)も同日民事再生法を申請し、受理されました。

 6月25日には、スルガコーポレーション(東証2部上場)が民事再生法を申請したばかりです。

 それぞれが不動産分譲をメインとする会社で、事業の一部として、建築業も抱えている会社です。

 ひと月内に、同分野の上場企業が3社も倒産する事態は異常だといえます。それだけこの業界に逆風が吹いていることが伺えます。

 耐震強度偽装事件を受けた建築基準法改正により、全国の建築現場で大きな混乱が続いています。2重チェック制の導入など審査が厳格化され、住宅着工数が大きく落ち込んでいます。

 審査の厳格化は、国民として大きく望むところですが、それまでいい加減手を抜いていたものを、キレイごとで急な舵取りの変更をされれば、混乱をきたすのは当たり前です。これが、サラ金問題と共に、現在の官製不況の源だと言われています。

 建築業界は広い裾野を持った業界です。下請け、孫受けなどの会社には、多くの技術者が存在し、さらに末端には多くの職人が個人事業主として存在します。

 その多くが、仕事が激減して苦しんでします。当然、釣りどころではありませんね。

 走行する車の数が減った理由ですが、ガソリンの高騰だけではないなと感じた週末でした。

 サブプライム問題で、比較的傷が浅いといわれている日本の金融業界ですが、不動産、住宅関連の落ち込みが続けば、当然収益源の縮小に繋がります。政・官に、包括的な思考と柔軟な決定力を望むところであります。

(記者:大村 賢三)

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