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2008年07月22日(火) 15時01分

<布川事件>検察、特別抗告へ 高裁再審決定不服として毎日新聞

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性が殺害され現金が奪われた「布川事件」の第2次再審請求で、東京高検は22日、水戸地裁土浦支部の再審開始決定を支持した東京高裁決定を不服として、最高裁に特別抗告する方針を決めた。再審を開始するかどうかは、最高裁での審理に持ち越されることになった。

 再審請求をしていたのは強盗殺人罪などで無期懲役が確定し、仮釈放された桜井昌司さん(61)と杉山卓男さん(61)。01年に2度目の再審を請求し、05年に土浦支部が再審開始を決定。高裁は今月14日、水戸地検の即時抗告を棄却し、「自白の信用性に重大な疑問があり、有罪とした確定判決に合理的な疑いが生じている」と支部決定を支持した。

 即時抗告を退けられた検察当局は、高裁決定を検討した結果、捜査段階の自白の信用性を揺るがす新証拠として、弁護側が提出した被害者遺体の鑑定結果などに、再審開始に必要とされる証拠の新規性や明白性は乏しいとして、特別抗告に踏み切ったとみられる。

 一方、2人の支援者や日本弁護士連合会は、検察当局に特別抗告を断念するよう求めていた。

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