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2008年07月22日(火) 18時12分

【女性】オンナの堕落は占いにうつつを抜かすことから始まるツカサネット新聞

「男(女)のくせに……」「もっと男(女)らしくしなさい!」
日常の会話で、こんなことを耳にしたり口にしたりしてはいないだろうか。いったい、この「らしく」とは何なのだろうか。

以前から各種調査で、占い好きの傾向は男性よりも女性に顕著という見方が出ている。各サイトやブログを見ても占いサイトが花盛りだが、実は占いは、この「らしく」という性的役割分担のイメージ作りに一役買っている。

いわゆる「東洋の占い」は、世の存在や事象を陰と陽の二元論で分ける陰陽論に基づくとされているが、これによると「陰は暗くて重いもの、一般的には価値的に劣るもの、女性的原理を指し、反対に陽は明るいもの、軽やかなもの、一般的には価値あるもの、男性的原理を意味する」(1)という。

「女性」の原理は「男性」のそれよりも「価値的に劣るもの」なのである。

西洋はどうか。ある西洋占星術の書籍によると、十二宮は「陽性、プラス、積極的、外向的、自己の実現」の男性宮(白羊宮・双子宮・獅子宮・天秤宮・人馬宮・宝瓶宮)と「陰性、マイナス、消極的、内向的、自己の制止」の女性宮(金牛宮・巨蟹宮・処女宮・天蝎宮・磨羯宮・双魚宮)の二区分があると解説している(2)。これも男尊女卑の二元論である。

問題は、こうした理論が占いの判定にしっかり反映されていることだ。

たとえば、子供が産まれると世話になる人が多いであろう姓名判断では、男性が名字と名前の画数を合計した総画が33画を「頭領運」としている著書がある。「頭領」とは「権威・名声・栄達・繁栄」などを意味する景気のいい画数だが、同じ画数を女性が持つと「家庭的な幸福と縁遠くなる」ことになるから「凶」だというのである(3)。他の書籍でも、ある画数は男性が「革領運」の「吉」なのに、女性の場合は「大凶」といっている。

「四格の中にこの数のある婦人は必ず夫の運を破り、生別か死別して寡婦となります。若い娘でこの数のある人は縁談が遠く、未亡人でこの数をこのままにしておくと大抵相続者を失ってしまいます」(4)

つまり、男性のような出世や商売繁盛は「凶」とされる女性にとって、「吉」は、結局は「良妻賢母」でしかないのである。

しかし、女性が「権威・名声・栄達・繁栄」を得ることが「縁遠」くなるという発想は現実に古くなりつつあるし、幸福を「家庭的な幸福」に限定しない人も増えてきている。結局、性的役割分担の前提で作られた占いの判定などは、それに応えるものにはなり得ないのだ。

最近は、「占いは信じているわけではないが、判断に迷うとき背中を押してもらえるものが欲しいから」という人が多いという。しかし、あなたの背中を押すべきものは、そんな封建的で反動的なものではなく、あなた自身の裁量であってほしい。

豊かな判断ができるようにするためには、腹を割って同性でも異性でも踏み込んだコミュニケーションをする。そこへ踏み出す勇気こそが必要ではないだろうか。

(1)加地伸行編『易の世界』人物往来社
(2)ルル・ラヴァ『占星学の見方』東栄堂
(3)小島白楊『赤ちゃんの幸運を呼ぶ名前事典』大泉書店
(4)熊崎健翁『熊崎健翁の名前のつけ方姓名判断』(熊崎一知乃監修)池田書店

意識調査:占い「悪い結果」信じる女性は5割、男性は4割


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(記者:顰見倣)

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