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2008年07月22日(火) 16時15分

占い師の恐ろしい予言ツカサネット新聞

「10月・11月の間にあなたの家族に何か災いが起こります。」

去年、母と二人である駅にある占い師にみてもらった時に、母が言われた言葉である。
母が一人で占い師のテーブルへ行って私はラウンジで待っていた。母の前には20〜30代ぐらいと思われる男性が真剣な表情で何かを相談していた。また50代ぐらいの社長婦人のような女性も椅子に座って順番を待っていた。

評判がいいだけあって、平日にもかかわらずなかなかの混み具合だった。

時間は20分ぐらいで3000円だったらしい。
「どうだった!?」と戻ってきた母に飛びついて聞いてみると、
「あなたはとても強い心を持った人です。」「今までご苦労されましたね。」
等言われたと。

「なんてことないんだね。」とその時はたいしたことにはならなかったのだが、しばらくして、あの時の占いの話だけど・・・・・・と母が言い出したので、どうしたのか聞くと実はこんな事も言われていたのよ。と私に話したのだった。私が心配して怖がると思ってあの時は黙っていたらしいのだが、どうも気になるからあなたにも話をしておくと。

そして「その災いはあなたは乗り越えられます。」とも告げられたらしく、そんなに怖くはないと母は言っていたが、声は少し暗くなってしまっていた。

我が家では既に大きな災いがいくつか起こっているので、何か起こったとしても乗り越えられるのだし、そんなに心配することないよと私は言ったが、正直な話とても怖かった。「災い」って何!?まさか家族の誰かが・・・・・・。それとも家が火災にあってみんなが・・・・・・。

興味半分で占いなんて行くもんじゃないなと後悔した。

災いが起きるなんて告げられて生きた心地がしなかった。その話が忘れられず夜色んな想像をしてしまったりして寝れなかった。夕方道を歩いていても誰かが私を狙っているのではないだろうかと、後ろから来る人の気配がいつもより怖く感じてしまったり。ご飯を食べている時も、のどに詰まって呼吸が出来なくなってしまうんじゃないかと。

しかし、何も起こらない日が続くと「なんだ、何も起こらないじゃないか。」と、いつの間にかすっかり忘れてしまい、気がついたら年は明けていた。

そういえば去年、あんなこと言われたけど何も起こらなかったね。と結果的には笑い話になって良かったが、興味半分で行ってお金もかかって数週間心配で怖い期間を過ごす「苦い経験」となった。

偶然に起こったことを「きっとあれは必然的なことだったんだ。」と神がかり的に信じる人。私と母はこのタイプに当てはまる。よく記事なんかでも自分が書いて投稿した内容とそっくりな記事が掲載されていたり、家族がお昼に食べたメニューと同じものを夕食に作ったりすると、遠く離れた者同士の間に、何か目には見えない電波のようなものが飛びあって同じ現象が起きたのかもなんて思ってしまう。俗にいう「テレパシー」だ。

こういうタイプはレシートで合計金額が「¥777」であったりとか、時計を見たときの時間が「5:55分55秒」だったりしてもなんとなく「ラッキー!」と感じてしまったりする。

よく女性にありがちなのが、偶然出会った人に運命的なものを感じて恋してしまったり。同級生に何年ぶりかに突然、地元でもない場所で再会したりとか職場の同僚なのに何度もプライベートで偶然遭遇したりとか。こういう事がかさなると「神様が二人をめぐり合わせているのかも。」なんて思ってしまう。

私の周りで数学をこよなく愛する人を知っているのだが、この人はこういうたぐいのものを全く信じない。幽霊であったり、運命であったり目に見えていないものは何も信じないタイプである。

その人曰く、
「確かにあまりに起こる確率が低いことが実際起こると、強く印象に残ってその事実に何か意味を持たせたくなるが、実際は可能性がゼロでないかぎり起こる可能性はある。だから不自然なことではない。ただ珍しい事が起こっただけのことだ。」

そして占い師に言われた事を話した時は、笑いながらこんな事を言っていた。
「1年は12ヶ月ある。占い師は2ヶ月間指定したということは1/6の期間。これだけでもかなり確立が高いと思うけど、災いという言葉もとてもあいまいな言葉だね。指を調理中に怪我したり、何か失敗してしまった事を災いととるならば、起こらない可能性の方が低いんじゃないの?これから起こる無限の可能性のことが本当にわかる人ならば現実に存在する名前や生年月日なんて聞かなくてもわかるはずなのでは?」と。

そう言われてみると2ヶ月間何もトラブルが起こらないで過ごせる事のほうが可能性としては低いと思えてきた。安心してしまってすっかりその予言は忘れてしまっていたのだが。もし覚えていたら、ちょっとした事が起こっても「あの予言が当たった・・・・・・。」と思い込んでいたかもしれない。

現実にあることだけ、数字だけ、そういうものだけしか信じない人生は何かスパイスがないつまらない人生のように思っていた。しかし、目に見えないもの、あいまいなことを信じすぎてしまうのは私という人間の心の弱さなのかもしれないと痛感した。

運命は人間が生きた人生の結果であり、人生とはその人が生きている時に作った点と点を結んだ道。その点とは自分が選択して決めた点である。


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(記者:みみなでしこ)

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