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2008年07月21日(月) 12時00分

WinとMacに続く“第3のOS”「Linux」の強み・弱みR25

若きIT長者にして、アフリカ人初の宇宙旅行者となったマーク・シャトルワース氏が多額の私財を投じ、開発を支援したPC用のOS「Ubuntu」が、完成度の高さと相互扶助の理念から世界的に注目されている。どうやら「Linux」の一種らしいけど、そもそもLinuxってどんなOSなのか? テクニカルライターの佐々木康之氏に聞いてみた。

「Linuxの一番の特徴は、誰でも無料で入手できる“オープンソース”のOSである点です。91年にフィンランドの学生が個人で開発をはじめて以来、ネットを通じて世界中の多くの技術者がボランティアで開発を続け、『Ubuntu』などの様々なバリエーションが生まれています。従来は主に企業のサーバー向けOSとしてシェアを伸ばしてきましたが、ここ2〜3年でデスクトップの機能が大きく進歩し、グラフィカルで使いやすい操作環境が整ったことから、個人用PCのOSとしても評価が高まっているんです」

確かにデザインは良い感じ。でもWinやmacとは使えるソフトも違うんですよね?

「ブラウザなら『Firefox』、オフィスなら『OpenOffice.org』のように、Winやmacでも人気のあるオープンソースのソフトは共通で使えます。他のOSでそれらを使い慣れた人が増えたことも、Linuxが注目される理由の一つかもしれません」

なるほど。そんな便利なOSがタダで手に入るのなら、ニーズはありそうです。

「実際、世界中でヒットした低価格ノートPC『EeePC』に搭載されたほか、ソフトの違法コピーが深刻化している途上国で普及が推進されるなど、Linuxはニッチな市場で徐々にシェアを広げています。が、日本ではWindowsの影響力が非常に強く、Linuxを搭載したPCを販売している大手メーカーが存在しないため、自作PCのユーザー以外にはあまり広まっていないのが現状です」

そのほか、周辺機器の対応やサポートの強化など、広く普及する上では課題も多いんだとか。個人ユーザーとしては、選択肢が増えるのは嬉しいですね。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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