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2008年07月21日(月) 03時02分

動体視力左右するたんぱく質発見…ピカチュウもじり命名読売新聞

 視覚の情報を脳へ効率よく伝えるために必要なたんぱく質を、大阪バイオサイエンス研究所チームがマウスで発見した。

 動体視力の優劣に関係しているとみられることから、素早い動きが特徴の人気アニメキャラクター「ピカチュウ」をもじって「ピカチュリン」と名付けられた。

 網膜色素変性症などの治療につながる可能性がある。20日付の科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版で発表する。

 古川貴久・第4研究部長らは、マウスを使って、光を感じる網膜の視細胞ができる際に働く遺伝子を解析し、ピカチュリンを発見した。視細胞から脳へ信号を送る神経への「つなぎ目」だけに存在するという。

 ピカチュリン遺伝子を壊したマウスでは、正常なつなぎ目ができず、信号の伝達時間が約3倍かかった。速い動きに対する眼球の反応も遅くなり、動体視力にかかわっているらしい。古川部長は「イチロー選手のように動体視力に優れた一流の運動選手は、ピカチュリンの働きに違いがあるのかもしれない」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080721-OYT1T00070.htm