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2008年07月20日(日) 09時54分

旧華族会館の文化祭産経新聞

 今年40周年を迎える霞が関ビルは、官庁街の坂道の上にすっくと建つ日本最初の100メートル超の高層ビル。全国にその名を知られるが、周辺は今、文部科学省や金融庁などが入る霞が関コモンゲートもでき高層ビル群の一角をなす印象だ。

 その霞が関ビルは、旧華族の集まりである社団法人「霞会館」があった土地に建てられ、その霞会館は今も霞が関ビルの中にあることを初めて知った。会員による作品展示会があるので来ませんか、と案内をもらったのだ。声をかけてくれたのは、銀座の天ぷら店「かんだ」で知己を得たあの越前松平家ご当主。むろん会員の一人で、こちらがこの手のことに興味津々なことは先刻ご承知だ。

 霞会館は36階建てビルの34階ワンフロアを占めている。が、入り口案内板のどこにもその記載はない。あとで聞いたところでは、別に秘密ではないが関係者以外は訪れない場所なので、とのこと。実際、エレベーターを降りると内装はぐっと高級仕様になり重厚なドアに部外者はちょっとひるんでしまう。広間らしき部屋の入り口に「第37回華虹(かこう)会展」とある。これだこれだ。

 もともとは会員やその家族を対象に開かれていた絵画教室の発表会だったが、今は水墨画から書、写真、陶芸まで幅広い展示で文化祭の体をなしている。「戦前家族風景」という愛らしい水彩画に目をひかれた。作者の鮫島純子さんは実業家、渋沢栄一の孫にあたる方とか。著作もある。越前さまは繊細な色彩の大皿を出品。みなさま多芸多才。

 ちょうど越前さまの奥さまが会場におられ、案内してもらう。先日、番町のご自宅でお目にかかったときはラフな洋装だったが、本日は縞(しま)柄の着物で涼やか。会場のあちこちで旧知の方々らしいあいさつが交わされる。

 源氏物語千年紀にちなんだ展示もあり、源氏香を前に「昔やったのですが、きちんと覚えられなくて」と話されたのが印象的。書や和歌、香道などを日常的なたしなみとして身につける暮らしぶりがうかがえる。

 受付にいた紳士方に紹介された。徳川さまやら、元台湾総督に連なる方やら、華麗なる系譜に、俄然、アドレナリンが増えてきた。(編集委員 石野伸子)

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