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2008年07月20日(日) 21時02分

民主・岡田代表、慎重姿勢崩さず中国新聞

 九月の民主党代表選をめぐり、岡田克也副代表の動向が注目を集めている。岡田氏が出馬すれば小沢一郎代表の有力な対抗馬になるのは確実で、代表選を通じた政策論争に期待する中堅、若手議員を中心に待望論が広がる。だが本人は周囲の期待をよそに「ノーコメント」を貫き、慎重姿勢を崩していない。

 「中国共産党と人民を代表して感謝します」。中国のニューリーダーの一人である李克強副首相は十六日の北京市内での会談で、民主党の四川大地震対策本部長を務める岡田氏と固い握手を交わした。胡錦濤国家主席に近い李氏が野党幹部と会うのは異例で、中国側の岡田氏への期待がにじんだ。

 日本経団連の御手洗冨士夫会長らが、パイプ強化の思惑から岡田氏を「囲む会」を発足させるなど、将来の“民主党政権”のリーダーとして岡田氏の存在感は膨らみつつある。

 岡田氏は二〇〇五年九月の衆院選敗北の責任を取って代表を辞任してからは、落選議員や若手を中心に二度の全国応援行脚を展開。昨年九月に始めた第二弾は今月二十七日の宮城2区で終える予定で、訪れた小選挙区は百三十余りになった。

 党内ではこうした地道な努力を、先の通常国会で衆院予算委員会の筆頭理事として論戦の陣頭指揮を執り福田康夫首相を追いつめた手腕とともに評価する声が多い。

 ただ岡田氏は代表選に関し「私も当事者の一人」「何を言っても憶測を呼ぶ」と話すだけで、腹のうちを一切明かそうとしない。今月五日の茨城県つくば市での記者会見では「感情的対立になってはいけない」と強調し、党内では出馬に慎重と受け止められた。

 小沢氏の対抗馬擁立を模索する前原誠司副代表、野田佳彦広報委員長の両グループは岡田氏の動きを注視。野田氏は代表選日程が正式決定した十四日昼、岡田氏と都内で会談したが、関係者によると「代表選をめぐっては踏み込んだ話にはならなかった」という。

 岡田氏の真意について党内では「小沢氏からの禅譲狙いだ。次期衆院選勝利へ一丸となるべき時期に、弓を引くとは思えない」(中堅議員)との見方が強い。岡田氏は周囲に「いずれ態度をはっきりさせたい」と漏らしており、八月のお盆明けにも最終判断することになりそうだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200807200361.html