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2008年07月20日(日) 08時00分

21年度採用試験スタート 再挑戦組「批判的」初受験組「期待感」 大分教員汚職産経新聞

 「腹立たしい」「不正がなくなり合格確率が上がるのでは」…。公立学校の教員採用汚職事件が発覚した大分県で19日に始まった平成21年度の教員採用試験。受験生からは事件に対する批判や失望の声があがる一方、不正防止策が打ち出されたことで、今後は公正に行われるとの期待感も広がった。

 今回の一般選考の受験者数は1693人。前年度より100人減ったが、採用予定者数に対する倍率は13・8倍で、依然として狭き門だ。特に高校は21・9倍の高倍率となっている。

 30歳を超す“再チャレンジ組”からは批判の声が集中した。今年で10回目の挑戦という大分市内の小学校臨時講師の男性(32)は「教師になりたくて10年間頑張ってきたのに、不正な手段で採用された教員がいるのは許されない」。8回目の男性(30)も「自分が不正のあおりで落ちたとは思いたくないが、楽に合格した人間がいると思うと腹立たしい」と心中を打ち明けた。

 一方、事件発覚を受け、面接や採点時に県職員らが加わったり、受験者名が特定されないようにするなどの改善策を評価する声も。

 今回が初受験という福岡教育大の学生(21)は「今回は不正がない分、合格の確率が少しは上がるかなと期待している」。同じく初受験の男性(21)も「発覚して逆によかった。今回は不正がないと信じたい」と話していた。


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