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2008年07月20日(日) 02時30分

<探偵トラブル>苦情6年連続1000件超毎日新聞

 探偵業者や興信所の届け出を義務化し規制を強化した探偵業法が施行されて1年。高額な解約料を請求されたり、調査内容が不十分といった苦情相談が02年度から6年連続で1000件を超えたことが、国民生活センターのまとめで分かった。背景には、業界に料金設定に関する基準がないという事情があり、法規制の強化だけで、トラブルを防ぐのは難しい実態が浮かんでいる。

 国民生活センターによると、07年度の苦情相談は1205件。内訳は▽浮気調査を興信所に依頼し翌日解約を申し出たが、調査費の3割の違約金を請求された(40代女性)▽支払いをしているのに調査報告がない(30代女性)▽調査中止を申し出て全額返金の約束をしたのに履行されない(20代女性)−−で、調査費や解約料など金銭をめぐるトラブルが大半を占めた。

 探偵業者や興信所を巡っては、高額な調査費や口止め料の請求など、依頼者とのトラブルが続発したため、探偵業法が昨年6月施行された。都道府県の公安委員会への届け出を義務付けたほか、契約書の作成や暴力団が関与しているとみられる業者の排除などが盛り込まれた。警察庁によると、届け出業者数は約2700社(昨年6月現在)に上る。

 しかし、業界には料金設定の目安となる規定や基準などはなく、調査費用は業者側の裁量で決められるケースが多いとされる。全国の440社が加盟する日本調査業協会(東京都千代田区)によると、契約の3〜5割分の法外な違約金を請求する悪質な業者もいるという。鈴木司朗専務理事は「法律や実務の知識が乏しい業者もいる。こうした業者が高額な違約金を請求をしている可能性がある」と指摘する。

 警視庁生活安全総務課は「(法律で取り決めがないため)料金トラブルに介入し捜査するのは難しい。業者側の説明をよく聞いた上で、内容を確認してほしい」と注意を呼びかけている。【武内亮】

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