記事登録
2008年07月19日(土) 00時00分

つり革22個ねじ切られる 朝の東海道線読売新聞

6個を小田原の線路わきで発見

 東海道線上り電車内で8日朝、つり革22個がねじ切られる器物損壊事件があり、県警とJRのこれまでの調べで、ねじ切られたつり革のうち6個が、始発駅に近い小田原市の線路わきに落ちているのが見つかった。犯人は事件後、小田原方面に向かう下り電車で逃走した疑いが強まっているが、有力な目撃情報がなく、捜査は難航。不可解な事件に、川崎署幹部も「何が目的なのか、皆目、見当がつかない」と頭を悩ましている。

 事件は8日午前8時ごろ、川崎駅に降りた乗客の通報で発覚。東京駅に到着した国府津発東京行き普通電車(15両編成)をJRが調べたところ、3両目のつり革22個が切り取られ、3個の輪にひびが入っていた。届けを受けた川崎署と鉄道警察隊が、器物損壊容疑で捜査を始めた。

 この電車は出発前、小田原市の車両センターでJR東日本が30分点検を行った時には異状はなく、午前6時45分に同市の国府津駅に入った後、9分間停車。この前後から、川崎駅に同8時2分に停車するまでの間の犯行とみられる。

 切られたつり革は、いずれも刃物が使われた形跡がなく、通常、100キロ近い重さに耐えられるつり革を、朝のラッシュ時にどのような方法でねじ切ったのか、謎が深まっている。同署は、車内が閑散としていた始発駅の国府津駅を発車する前後に、何らかの方法で切断したとみている。

 一方、切り取られたつり革6個が見つかったのは、事件の翌日9日。国府津駅の西にある小田原市の同線鴨宮駅と小田原駅の間で、下り線路わきに6個が点々と落ちているのを、線路点検中のJR職員が見つけた。同署などは、6個から指紋を採取して詳しく調べているが、犯人が犯行後に小田原方面に向かう下り電車に乗り換え、切り取ったつり革を窓から投げ捨てた疑いが強い。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080719-OYT8T00123.htm