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2008年07月18日(金) 00時01分

<東北大>助教、論文データ改ざんか…調査委設置毎日新聞

 日本細菌学会が、東北大大学院歯学研究科の女性助教による論文に不正があった可能性があるとして、東北大と文部科学省に報告していたことが分かった。助教が執筆した多数の論文にデータ改ざんの疑いがあるという。東北大は調査委員会を設置し、過去の論文を含め調査する。

 助教は3月、口腔(こうくう)内の粘膜の「自然免疫応答」に関する論文で、同学会の若手研究者に贈られる「黒屋奨学賞」を受賞した。これに関し同学会の会員から「論文作成経過について調査の必要がある」との指摘があり、学会が6月23日、緊急調査委員会を設置して調査。7月1日に文科省などへ報告した。

 助教の指導教授は「データの捏造(ねつぞう)などがあったとは認識していない。大学院生時代から指導しており、研究方法に問題があるとは考えていない。詳しくは大学の調査委員会に委ねた」と話している。

 一方、文科省によると、同学会から7月1日付の文書が郵送され、この助教が執筆者に含まれる16本の論文について「論文に不正を疑わざるを得ない個所が明らかになった」と指摘されていたという。文科省は東北大に調査を指示した。【伊藤絵理子、西川拓】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080718-00000000-mai-soci