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2008年07月18日(金) 13時30分

借金漬けニッポンの借り入れ限度額はどれくらい?R25

政府の借金が国債と地方債で800兆円近くもあって、やばいというニュースを見ていると「じゃあ、いくらまでなら借りられるの?」と素朴な疑問がわいてきた。そこで、無茶を承知で慶応義塾大学准教授(財政学)の土居丈朗氏にその疑問をぶつけてみた。

「税金を使って将来返さなければならない債務は一時借り入れなどもあり、現在、国と地方を合わせるとおよそ900兆円あります。仮に、その気になって借りれば、もっと借りられると思います。具体的には、1500兆円がひとつの目安になります」

これってどういう数字なんですか?

「日本人の金融資産が全部国債になると、だいたいこの金額になります。これはGDP(名目国内総生産)の3倍に相当します。もっとも、国民がそれを許容できるかという問題はありますが。なにしろ、借金というのは貸し手がいて初めて成り立つものですから。それに、国民の金融資産がすべて国債等の政府関係で占められるということは、言い換えれば全国民が国だけに投資しているに等しい状態です。結果的に民間に回る資金が乏しくなり、経済にもマイナスの影響があります」(同氏)

外国からも借りられる気がしますが?

「日本は国債の金利が特別低いんです。外国に国債を本格的に売るには、金利を上げざるを得ず、現実的ではないでしょうね。それに今の900兆円だって安心できる水準ではなく、政府に対する国民の不信が高まれば、今まで通りの条件では発行できなくなるかもしれません。結果として国債の金利を上げることになれば他の金利も上がりますからインフレになるリスクも高まります。だからこそ、政府も無駄な歳出を減らすなど、借金を増やさないための努力をしているところなんです。増税の議論もそれに関係しています」(同氏)

なるほど、もっと借りられるから借りてもOKってことではなさそうなのはわかった。でも「だから増税」と言われるとドン引きになるんですけど…。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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