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2008年07月17日(木) 14時32分

【女性】ニートの問題は男性だけか?ツカサネット新聞

ニートという問題は、今の世の中に大きな影を落としているが、ふと、テレビや新聞などで取り上げられているニートって、いつも男性ばかりであることに気が付いた。もちろんニートと呼ばれる人達の中には、女性も入っているはずなのに、なぜ取り上げられることはないんだろうと、ふと思った。

そもそもニートというのは、「16〜18歳の教育機関に所属せず、雇用されておらず、職業訓練に参加していない者」という定義がなされているが、さらに細かく分類すると求職活動をしていない「非求職型」と就業を希望していない「非希望型」に分類される。2006年の調べでは、ニートの数は62万人にものぼると言われているが、まだまだ増加傾向にある。少子高齢化社会が急速に進んでいる現代において、このニートの存在は、とても大きいといえる。

ニートで女性が話題に上らない理由として、やはり「男は仕事、女は家庭」という従来からの古い考え方が今も根強く残っているからではないかと思う。今は、女性の高学歴や社会進出などにより、女性を家庭にのみ縛り付けない人生の選択ができるようになった。だから、本当であれば、男女ともにニートの問題を語る時には、その場に同じように取り上げられてもいいはずだと思う。

女性の場合、「家事手伝い」という逃げ道がある。これを逃げ道と言っていいかどうかはわからないが、少なくとも家族の経営する会社を手伝う以外に男性には家事手伝いということはあり得ない。女性は、家で料理や裁縫など、女性としての嗜みを学習する場として家庭に入る場合がある。特に裕福な家庭の子女なら、そういうことも往々にしてあるだろう。きっとそれが女性のニートが大きな問題にならない原因の1つだろうと思う。

男女雇用機会均等法が施行されてから随分になるが、男女ともに仕事をする自由が与えられ、個人差はあるものの、いずれ社会に出て仕事をするということは、当たり前の世の中である。女性のニートが問題にならないこと自体がすでに男女格差の表れではないかと思う。女性蔑視を声高に叫ぶ人もいるが、ならば女性は、どんな場合にも男性と対等であるべきだ。女性が許されて男性が許されないということは、あり得ない。どんな場合もどちらかが優遇されるべきではないと思うのである。男性だけでなく、女性もまた経済活動をするべきだし、男女の差なく、日本に生きている以上、日本の経済そのものに責任を負っていると思う。

男性がいろいろ問題を抱えているのと同様に、女性もまたいろいろ問題を抱え生きている。働きたくても働けない状況が長く続き、自信喪失したあげくに働く意思を持てなくなった若者や中高年もいる。ニートと一口に言っても、その実情はさまざまだが、ニートの男性だけが冷たい目でメディアに取り上げられるのは、どうも違う気がするのである。男女ともに働きやすい環境を作り、男女共同参画社会を作り上げていくべきだ。


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(記者:halfmoon)

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