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2008年07月17日(木) 20時53分

すかいらーく契約店長の過労死認定、残業月80時間超える読売新聞

 ファミリーレストラン大手「すかいらーく」の契約店長だった埼玉県加須市の前沢隆之さん(当時32歳)が昨年10月に脳出血で死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、埼玉・春日部労働基準監督署が6月に労災認定していたことが分かった。

 遺族が17日に記者会見して明らかにした。非正社員の増加で正社員が長時間労働を強いられるケースはこれまでも問題化していたが、労働問題に詳しい弁護士は「非正社員の過労死はあまり聞いたことがない」とし、「近年、非正社員からの長時間労働の相談が増えており、対策が必要」と指摘している。

 会見した遺族と支援した労働組合スタッフによると、前沢さんは2006年3月、すかいらーく栗橋店(埼玉県栗橋町)で1年ごとに契約更新する契約店長となった。店長になってから残業時間が増え、帰宅が午前3時になることも。家に帰れず、店の駐車場に止めた自分の車で仮眠したこともあったという。

 労基署からは、過労死ラインとされる月80時間を超える残業があった、との説明を受けたという。しかし、年収は200万円程度。母の笑美子さん(59)は「帰ってきても少し寝ただけですぐ出勤する日が続き、すごく疲れている様子だったが、会社は何もしてくれなかった」と涙ながらに話した。

 日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は「非正社員は不安定雇用で低賃金なのに、長時間労働まで強いる働き方を許してはいけない」と語る。

 すかいらーく広報室は「労災認定された事実が確認できておらず、コメントできない」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080717-00000053-yom-soci