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2008年07月17日(木) 16時17分

すかいらーく店長を過労死認定 長時間労働が原因と判断 春日部労基署産経新聞

 外食チェーン大手「すかいらーく」(本部・東京)
で店長として勤務していた前沢隆之さん=当時(32)、埼玉県加須市=が昨年10月に脳出血で死亡したのは過度の長時間労働が原因だったとして、春日部労働基準監督署(同県春日部市)が労災認定していたことが17日、分かった。遺族らが同日厚生労働省で会見し明らかにした。
 遺族らによると、高校生だった前沢さんはアルバイトとして、平成3年10月から、すかいらーくで働き始めた。18年3月からは正規雇用ではなく、1年更新の契約社員として、栗橋店(同県栗橋町)の店長に就任。翌年10月10日、店で仕事中に体の不調を訴えて入院。同月18日に死亡した。遺族による独自調査では、労働基準法に違反する長時間勤務やサービス残業も常態化。前沢さんは、亡くなる過去3カ月の月平均残業時間は200時間に達していたという。
 春日部労基署では、タイムカードや家族らから事情を聴くなどして調査を進め、前沢さんの過重な長時間労働と死亡との因果関係が認められると判断したという。認定は6月13日。
 会見した前沢さんの母親、笑美子さん(59)は「名前は店長だが、上司が健康管理などを心配してくれなかったことが悔しい。
他に悩んでいる人もいると思う。今後も声を出していきたい」と目頭を押さえた。
 すかいらーくをめぐっては、17年に中島富雄さん=当時(48)=が過労死と認定されている。会見に同席した中島さんの妻の晴香さん=(52)=は「夫の時、会社に再発防止策の徹底を約束してもらったが、また繰り返された。会社には二度とこのようなことを起こしてもらわないよう訴えていく」と強調した。

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