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2008年07月17日(木) 12時08分

<バスジャック>少年「高速道待った」 止められるのを恐れ毎日新聞

 愛知県の東名高速道路で16日発生したバスジャック事件で、監禁と銃刀法違反容疑で逮捕された山口県宇部市の中学2年の少年(14)が県警の調べに対し、「一般道では止められる恐れがあるので、高速道路に入ってからナイフを持ち出した」と供述していることが分かった。ナイフは事件当日に名古屋市内の100円ショップで購入しており、県警は計画的にバスを乗っ取ったとみて、詳しい動機を追及している。

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 調べでは、乗っ取られた名古屋駅発東京駅行き高速バスは16日正午に名古屋駅を出発した。少年はバスの2階座席に座っていたが、約50分後にバスが名古屋インターから東名高速道路に入るころに1階へ移動。男性運転手(39)の首に2本のナイフを突き付け、「スピードを上げろ。止まるな」「走れ」などと要求した。

 少年は高速道路に入ってしまえばバスを止められることはないと考えていたといい、捜査車両で駆け付けた警察官が携帯電話で説得にあたった際も、当初は「東京に行くんだ」と言い張った。警察官がバスをパーキングエリアに誘導し、バスのドアに足を入れて「ナイフを置け」などと説得を続けたところ、少年はナイフを置いて乗客を解放した。

 一方、少年が15日未明に家出をした後、同日夜に北九州市のJR小倉駅から名古屋駅行きの最終の新幹線に乗車したことも判明。名古屋市内のビジネスホテルで1泊した後、16日にホテル近くの100円ショップでナイフ2本を購入し、同駅からバスに乗っていた。

 少年は調べに対し「しかられたので、親をめちゃめちゃにしてやりたいと思った」と供述。県警は同じ中学の女子生徒との交友を巡ってしかられたことが引き金になったとみて、動機の解明を進めている。【飯田和樹】

 ◇父親が謝罪

 一方、宇部市教委によると、少年の父親から16日夕、「皆さんに大変ご迷惑をお掛けした。謝罪の気持ちを伝えてほしい」との電話が学校にあったという。

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