記事登録
2008年07月17日(木) 00時00分

バス乗っ取りに同級生ら驚き中国新聞

 「明るくて事件を起こすようなタイプではない」—。16日起きた東名高速道路のバス乗っ取り事件で、愛知県警に逮捕された少年の宇部市にある自宅周辺の住民や同級生らは一様に驚いた表情を見せた。「世間を騒がせたかった」と供述しているという少年とはかけ離れた姿。凶行に走らせたのは一体何だったのか。

 逮捕されて約1時間後の午後3時すぎ、少年の通う中学校。「まだ不確定だが生徒が事件を起こした」。宇部市教委からの連絡に、校長らは耳を疑った。校長は集まった報道陣に応え、「欠席もなくクラブ活動もまじめ。学校、家庭の複合的な問題で、追いつめられた精神状態だったのかもしれない。人違いだといいのだが」と、取り乱していた。住民らは「会えばしっかりあいさつする子」と声をそろえる。両親ら4人暮らしで、「休日に庭で焼き肉するなど仲が良さそうだった」と振り返った。

 中学では運動部に所属、生徒会の役員に立候補した。成績も良かったという。近くの中3女子(14)は「活発な子。ユーモアがあっていつも人を笑わせようとしていた」と話す。快活なイメージの一方、別の顔も浮かび上がる。小学校時代の同級生(14)は「怒ると怖くて手がつけられなかった」と明かす。「女の子と付き合っていたけど、最近別れたと聞いた。きっとイライラをため込んでいたんだと思う」

 高台の住宅団地にある少年の自宅は雨戸が閉まったまま。「まじめな生徒」が見せた心の闇の解明が急がれる。学校は17日にも生徒や保護者に経緯を説明する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200807170064.html