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2008年07月17日(木) 00時00分

生コン「違法」新たに5件読売新聞

横浜市泉区の介護施設など

 藤沢市の「六会コンクリート」が日本工業規格(JIS)で認められていない生コンを製造していた問題は16日、新たに横浜、鎌倉、茅ヶ崎3市のマンションなど県内5件が建築基準法違反と認定され、県内の違反認定は計7件となった。今後も認定が増える可能性があり、県や関係各市は国と連携しながら、施工業者らにどのように改修を求めるか、内容を早急に詰める方針だ。

 建築基準法はJISに基づき、梁(はり)や柱に使用するコンクリートの原料を砂利やセメントなどにするよう規定している。

 横浜市で新たに違反認定されたのは3件。いずれも新築中の仮称で、泉区の民間介護老人保健施設「エスポワール和泉」(地上3階地下1階4棟のうち1棟)、戸塚区のマンション「戸塚上矢部」(8階建て4棟)と栄区の同「大船ハイツ」(5階建て1棟)。同市建築企画課によると、エスポワール和泉では、柱などに規格外の骨材「溶融スラグ」が混入した生コンが使われ、戸塚上矢部とともに、コンクリート表面がはがれ落ちる「ポップアウト現象」が確認された。戸塚上矢部は分譲型マンションで、89戸中26戸が契約済みだが、業者は「解約を前提に相談を進めている」という。

 鎌倉市で認定されたのも、建設中の仮称のマンションで「レーベンハイム鎌倉岩瀬」。同市の調査でポップアウト現象を確認。業者は販売を一時休止したが、「売買契約を済ませた顧客に迷惑をかけないよう優先して対応したい」としている。

 茅ヶ崎市で認定されたのは、鉄骨2階建て機械部品製造工場の2階増築部分。同市は当面の強度や耐火性能について問題はないとの見解。工場側は「一定期間が過ぎたら、強度などを検査したい」としている。

 今回の問題で、国土交通省は学識者らの調査委員会を設置。18日に初会合を開き、耐久性や当面の是正方針について検討する。県や各関係市では、担当課長らの連絡調整機関が発足したばかりだが、県建築指導課は「住民の不安解消に努めたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080717-OYT8T00069.htm