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2008年07月16日(水) 22時58分

バスジャック 14歳少年を逮捕 愛知・東名高速毎日新聞

 16日午後0時55分ごろ、愛知県豊田市の東名高速道路上り線豊田インター近くを走っていたJR東海バス(名古屋市中川区)の名古屋駅発東京駅行き高速バス「スーパーライナー」号から、乗客として乗り合わせた同社の男性社員(41)が「運転席の後ろにナイフを持った男がいる」と会社を通じ県警に通報した。県警は(美合みあい)パーキングエリア(同県岡崎市保母町)にバスを誘導し、男を説得。同1時55分ごろ、捜査員が車内に突入し男を監禁と銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。

 逮捕されたのは山口県宇部市の中学2年の少年(14)。調べでは、15日未明に家出し、家族が同日正午ごろ、山口県警宇部署に家出人捜索願を出していた。愛知県警の調べに「親にしかられたので、嫌がらせをしてやろうと思った」と供述しているという。

 少年は果物ナイフ(刃渡り約10センチ)とペティナイフ(同12センチ)を男性運転手(39)の首に突きつけ「走れ」などと要求。同社の通報から約15分後、携帯電話で自ら「バスジャックした。パトカーが追尾しているのを知っている」と110番した。

 県警はバスが豊田インターを過ぎた付近から前後を捜査車両ではさみ込むなどして停車させ、携帯電話で少年を説得。「東京に行くんだ」と言う少年をなだめ、バスを(美合みあい)パーキングエリア(同県岡崎市保母町)に誘導した。ドア越しに少年を説得を続けると、少年はナイフを座席近くに置き、乗客を解放した。捜査員が突入した際も抵抗しなかった。バスには運転手と乗客計11人が乗っていたが、けが人はなかった。

 少年は調べに「一般道ではバスを止められる恐れがあるため、高速道路に入ってからナイフを持ち出した」と供述しているという。ナイフは名古屋駅近くの100円ショップで購入していた。

 少年は会社員の父親(42)、母親(41)、妹(12)の4人家族。宇部市教委によると、中学で学級委員長を務め、ソフトテニス部に所属。少年は女子生徒との交友を巡って親からしかられたという。

 少年は15日夜、福岡県のJR小倉駅から新幹線で名古屋駅へ行き、名古屋市内のビジネスホテルに宿泊。16日は同駅から高速バスに乗車した。事件当時は黒の長袖シャツ、紺のジーンズ姿で、黒のサングラスをかけ、サンダル履きだった。

 バスは2階建て車両で正午に同駅を出発。東京駅に同6時過ぎに着く予定だった。【秋山信一、飯田和樹】

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