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2008年07月16日(水) 09時17分

議員報酬削減も「定数」には手をつけず 大阪府議会改革産経新聞

 大阪府の橋下徹知事が、職員人件費の大幅カットなどスピード感を持って大胆な府政改革を推し進める中、議員報酬や政務調査費などの削減を基本とした府議会の議会改革は1カ月余りの協議をへて、15日、ようやく主要4会派での合意に達した。

 各会派の思惑がぶつかり合い、削減幅をめぐる攻防がギリギリまで繰り広げられたが、議会改革の“本丸”ともいえる議員定数削減については具体案を示せないまま。府議会の改革は始まったばかりだ。

 主要4会派がこだわったのが全会派一致の合意。「知事と向き合う議会が、自らの改革を一致団結して進められないようでは話にならない」(自民党幹部)というのが理由だ。

 だが、橋下知事が打ち出した職員の人件費削減案との兼ね合いや、削減による議員活動への影響などをめぐる各会派の認識のズレからまったく折り合いがつかず「総論賛成、各論反対」の状態が続いた。

 各会派が示した削減率の間を取る形で、正副議長が示した各15%削減の斡旋(あっせん)案をめぐっても、各会派の協議はいったん決裂。

 その後、自民、民主、共産の3会派は斡旋案に合意したものの公明は政調費20%の削減方針を譲らず、「他の会派に合わせてこれ以上数字を変えるつもりはない」として15日の理事会でも主張を貫き、協議は決裂に終わるかにみえた。

 だが、理事会直前になって自民から斡旋案をのむよう要請があったのに加え、正副議長も公明に「何とか斡旋案を受け入れてもらいたい」と改めて要望。これを受け公明は急きょ、幹部による会合を開いて方針を転換した。

 公明党幹部は「納得できない部分はあるが、知事が(職員人件費削減などの)修正案を示そうとしている状況で、先に議会側の話をスッキリさせておこうと思った」と打ち明ける。

 この日の理事会で議員報酬などの削減幅はようやくまとまったが、議会改革の最大懸案である議員定数削減については、理事会の検討事項になっているものの、7月臨時議会に具体的な方針を示すのは不可能となった。
 議員定数削減に関して府議会は、平成13年に「議員定数等調査特別委員会」を設置。公明が各会派で最大となる12議席減を主張したのに対し、共産が逆に8議席増を主張するなど隔たりは大きく、9カ月の審議を経たにもかかわらず結局、協議は物別れに終わった経緯がある。

 理事会では3選挙区から1人ずつ、計3人の定数削減を軸に調整を進めているが、具体的な協議には入っていない。

 「各会派間で調整を図り9月定例議会には提案したい」という声も出ているが、合意までにはかなりの紆余(うよ)曲折が予想される。

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