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2008年07月16日(水) 17時21分

東名高速で中2少年がバスジャック、乗員乗客にけがなし読売新聞

ジャックされた高速バスを調べる捜査員ら(16日午後3時11分、愛知県岡崎市の東名高速美合PAで)=加藤学撮影

 16日午後0時50分ごろ、ジェイアール東海バス(名古屋市中川区)から愛知県警に、同県岡崎市の東名高速上り線を走行中の高速バスに「刃物を持った男が乗っている」と通報があった。

 出動したパトカーがバスを見つけ、美合(みあい)パーキングエリア(PA、愛知県岡崎市)で停止させたうえ、車内で運転手(39)に果物ナイフ(刃渡り約10センチ)を突きつけていた少年を説得。通報から約1時間後、銃刀法違反と監禁の両容疑で現行犯逮捕した。乗客、乗員計11人にけがはなかった。

 発表によると、逮捕されたのは山口県宇部市、市立中学2年の少年(14)。少年は16日正午ごろ、名古屋駅から東京駅行きの高速バス「スーパーライナー」(2階建て)に乗車し、バスが走り出した後、運転手の首に果物ナイフを突きつけ、「とにかく走れ」などと脅した疑い。

 逮捕直後は、「過去のバスジャック事件をみて(犯行を)思い立った」「彼女に振られたから」などと動機を供述。県警岡崎署に連行され、取り調べを受けた際には、「親にしかられ腹いせにやった。家庭をぐちゃぐちゃにしたかった。世間を騒がせたかった」などと話したという。

 少年は走行中の車内から、運転手の携帯電話を使って、「バスジャックした」と自ら110番通報もしていた。美合PAで、捜査員がバスのドアを開けて説得したところ、抵抗することなく、果物ナイフと小型ナイフ(同12センチ)を荷台に置き、投降したという。

 少年は、父(42)と母(41)、妹(12)の4人家族。14日夜から15日未明にかけて家出し、両親が15日、山口県警宇部署に捜索願を出していた。新幹線で名古屋に来たといい、2本のナイフについては、「100円ショップで買った」と話しているという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080716-OYT1T00430.htm